2005 Fiscal Year Annual Research Report
Ti基ナノ準結晶における水素貯蔵材料としての高性能化
Project/Area Number |
15560577
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Research Institution | SHIBAURA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
高崎 明人 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70286699)
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Keywords | 準結晶 / 水素吸蔵 / 水素放出 / メカニカルアロイング / Ti-Zr-Ni / 水素サイクル |
Research Abstract |
メカニカルアロイング(MA)により種々の組成のTi-Zr-Ni系準結晶の創製が可能で,Tiの含有量を多くすると水素放出温度が高温化し,準格子からの水素の放出は,水素原子と金属原子との化学的な親和力だけでなく水素原子が固溶している格子間すき間の体積も影響している可能性があること等を昨年度の実績報告で述べた.MA以外の手法によってもTi基もしくはZr基準結晶が作製され,これらの水素吸蔵に関する研究も数多く行われている.しかしながら,水素の吸放出に対する水素サイクル特性の評価はあまり行われていない.そこで,本年度の研究ではTi_<45>Zr_<38>Ni_<17>準結晶をMA法により作製し,水素吸蔵・放出を50サイクルまで行った場合の水素吸蔵量および水素吸蔵・放出速度の変化を主に調べた.本研究で用いたTi,ZrおよびNiの各元素粉末の純度は99.9%である.これらの粉末をTi_<45>Zr_<38>Ni_<17>の割合で混合しMAを行った.その後,得られた試料に真空熱処理を行うことで準結晶を作製した.水素吸蔵のサイクル特性は,温度573K,初期水素圧1.0MPaで行った.また,水素放出はロータリーポンプによる真空引きにより行い,サイクル数は50サイクルまで行った.MA20hにより得られたアモルファス粉末を803Kで真空熱処理を行うと準結晶相の他にTi_2Ni型結晶相が析出するが,熱処理温度を低下させることで試料粉末中のTi_2Ni型結晶相の量を減少させることができた.この準結晶粉末の水素吸蔵・放出サイクルを行った結果,1サイクル目では吸蔵時間48hにおいても最大水素吸蔵量には達しなかったが,2サイクル目以降では吸蔵速度が40倍以上となり1〜1.5hで最大水素吸蔵量(H/M=1.5)に達することが分かった.水素放出時間はサイクル間に顕著な差は無かった.
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Research Products
(5 results)