2003 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物のエタノール耐性に関わるGEK1遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
15570045
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平山 隆志 独立行政法人理化学研究所, 植物分子生物学研究室, 先任研究員 (10228819)
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Keywords | シロイヌナズナ / エタノール / アセトアルデヒド / 古細菌 / NMR / GFP |
Research Abstract |
高等植物のエタノール耐性に関わる植物、古細菌特有の遺伝子GEK1の機能を解析するために、エタノール代謝産物の解析、新たなgek1対立遺伝子の探索、抑制変異株の探索、酵母菌を用いたGEK1と相互作用するタンパク質の探索および解析を行った。 1,エタノール代謝産物の解析。 毒性を持つアセトアルデヒドの異常蓄積が、gek1の表現型に関与している可能性を調査するために、様々なエタノール濃度で処理した植物体の内在性アセトアルデヒド量を測定した。その結果、野生株と変異株の間での差異は認められなかった。また、エタノールの代謝過程にgek1変異がどのように関与しているかを明らかにするために、安定同位体エタノールを使ってのNMRによる代謝産物プロファイルを試みた。その結果、gek1ではラベルのアミノ酸への取り込みが野生株に比べ昂進していることが認められた。 2,新たなgek1変異株およびgek1抑制変異株の探索 既存のgek1変異株は、null変異でない可能性があったので、新たな変異を探索し、gek1-4を得た。この変異はナンセンス変異であったのでnullと考えられるが、エタノール高感受性以外の表現型は認められなかった。また、gek1抑制変異を7ライン取得したが、解析の結果これらはすべてadh変異であった。現在更に探索を試みている。 3,GEK1と相互作用するタンパク質の探索 GEK1と相互作用するタンパク質を、酵母を用いたtwo-hybridシステムを用いて探索した。その結果、2つの類似の構造を持つ遺伝子と1つの機能不明の遺伝子が得られた。前者は転写調節に関わる因子と考えられたが、GFP融合タンパク質の解析から核には移行しないことが認められた。現在、これらの遺伝子の破壊変異株、高発現形質転換植物の解析を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 平山 隆志: "エチレンの受容と情報伝達機構"植物の生長生理. 38. 65-74 (2003)
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[Publications] Takashi Kuromori: "A collection of 11800 single-copy Ds transposon insertion lines in Arabidopsis"Plant Journal. 印刷中. (2004)
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[Publications] Naoki Takahashi: "Expression and Interaction Analysis of Arabidopsis Skp1-Related Genes"Plant Cell Physiology. 45. 83-91 (2004)