2004 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物のエタノール耐性に関わるGEK1遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
15570045
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
平山 隆志 独立行政法人理化学研究所, 篠崎植物分子生物学研究室, 先任研究員 (10228819)
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Keywords | シロイヌナズナ / エタノール感受性 / NMR測定 / 古細菌 |
Research Abstract |
主に以下の研究を行った。 1.変異株を用いた解析 これまでの研究から、GEK1遺伝子がエタノールの代謝、もしくはその近辺で機能していると考えられたので、13C,15Nでラベルした植物を用いての多次元NMR測定による代謝物解析を試みた。その結果、gek1変異株ではエタノール存在下で、野生株に比べアミノ酸などの代謝が活性化していることが明らかとなったが、エタノール感受性を引き起こす原因物質を同定するにはいたらなかった。また、マイクロアレー解析を行い、gek1変異株の生理的状態を発現遺伝子から推測することを試みた。その結果、ストレス誘導性遺伝子の発現が認められたが、特別な遺伝子群が影響を受けているということは見いだせなかった。また、gek1抑制変異株を分離し解析を試みた。いくつかの候補変異株が得られたが、今まで調べた限りでは、それらはadh1変異であることが判明した。 2.組換えGEK1蛋白質の解析 大腸菌で発現させたGEK1組換え蛋白質を用いて生化学的活性の同定を試みた。エタノールの代謝物であるアセトアルデヒドが毒性を持つことから、これの分解活性を調べた。様々な条件で調べたが結局、そのような活性は見いだせなかった。可能性としてシロイヌナズナのGEK1蛋白質が不安定である可能性もあったので、構造的に安定と考えられる好高熱菌P.horikosiiのGEK1類似遺伝子の組換え蛋白質を入手し、活性測定を行った。しかし、アセトアルデヒドの分解活性は見いだせなかった。この蛋白質を13C,15Nでラベルした植物の抽出物に混合し、NMR測定により代謝物シグナルの変化の検出を試みた。しかし、残念ながら顕著な変化は見いだせなかった。また、酵母two-hybrid系を用いてGEK1と相互作用するシロイヌナズナ蛋白質の同定を試みた。その結果、ある類似した2つの蛋白質が選択された。
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Research Products
(7 results)