2003 Fiscal Year Annual Research Report
ピロプラズマ原虫のマダニ体細胞への付着および侵入機構の解明
Project/Area Number |
15580265
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小山田 隆 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (80050665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 一機 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (30327457)
筏井 宏実 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (80327460)
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Keywords | ピロプラズマ原虫感染症 / マダニ / 付着・侵入機構 / モノクローナル抗体 / 遺伝子 / 組換え蛋白質 / Loop-mediated Isothermal Amplification Method / 迅速高感度簡易診断法 |
Research Abstract |
本研究は、ピロプラズマ原虫感染症の制圧にもっとも重要となるピロプラズマ原虫増殖ステージにおけるマダニ体細胞への付着および侵入に関連するレセプターとリガンド因子を探索し、その蛋白質発現解析に基づくピロプラズマ原虫のマダニ体細胞への付着および侵入機構の解明を最終目的として、本年度は以下の研究結果が得られた。 1.In vitro培養可能なウマピロプラズマ原虫に対する新規特異的モノクローナル抗体を16種類作製した。 2.それぞれのモノクローナル抗体を用いてウマピロプラズマ原虫cDNAライブラリーから遺伝子クローニングを行った。それらクローニングされた遺伝子の塩基配列についてシークエンスを行い、すべての遺伝子配列を決定した。塩基配列決定後、遺伝子データーベースを用いて相同性検索を行ったところ、12種類のピロプラズマ原虫新規遺伝子が得られた。 3.これら12種類の新規遺伝子の内、原虫細胞表面タンパク質をコードする遺伝子と考えられる4種の遺伝子を大腸菌およびバキュロウイルス発現用ベクターに組み込み、組換え蛋白質を発現させた。現在、それら組換え蛋白質の赤血球ならびにマダニ体細胞に対する接着試験について検討を鋭意推進中である。 4.加えて、今後感染実験を用いた実証のためイヌピロプラズマ原虫の採取保存を行なう上で不可欠な、迅速高感度簡易診断法の確立を行ない、沖縄県および青森県におけるB.gibsoni感染犬の比較疫学調査を行なった。Loop-mediated Isothermal Amplification Methodを用いる事により、現在高感度診断法として知られているPCR法と同等な感度で、より迅速な診断法を確立した。さらに青森県のB.gibsoniは、一般的に知られているマダニ媒介による感染よりも犬同士での水平感染(blood to blood)が成立している可能性が強く示唆された(掲載予定)。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ikadai, H., Tanaka H., Shibahara, N., Matsuu, A., Uechi, M., Itoh, N., Oshiro, S., Kudo, N., Igarashi, I., Oyamada, T.: "Molecular Evidence of Babesia gibsoni Parasite Infections in Japan and Evaluation of the Diagnostic Potential of a Loop-mediated Isothermal Amplification Method"Journal of Clinical Microbiology. (accepted)(掲載予定).