2003 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症における早期マーカーのミクロ2次元電気泳動法による探索
Project/Area Number |
15580280
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
坂口 和子 麻布大学, 環境保健学部, 講師 (40153879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 智夫 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (10147978)
代田 欣二 麻布大学, 附属生物科学総合研究所, 教授 (70147974)
鈴木 潤 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (20075930)
西山 勝弘 神奈川歯科大学, 講師 (20084783)
小嶋 久子 北里大学, 医学部, 助教授 (90118810)
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Keywords | 糖尿病性腎症 / 早期診断マーカー / ミクロ2次元電気泳動分析 / タンパク質高感度染色法 |
Research Abstract |
目的:ミクロ2次元電気泳動(M2D-PAGE)法を駆使し、糖尿病腎症実験動物モデルを用いて病態とその治療後の経過を経時的に、血漿/尿/透析外液などに出現する蛋白質(高ペプチド/低ペプチドも含め)を解析する。その結果より、影響因子を詳細に解析して、早期糖尿病腎症診断マーカーを確立、腎症患者の早期診断に貢献することを目的にする。 (平成15年度) 目的:本年度は、糖尿病腎症の早期診断マーカーを、臨床動物をモデルにして探索した。 方法:臨床動物はイヌとネコの正常ならびに慢性腎不全ネコ、糖尿病イヌおよび糖尿病ネコの血漿(1μL)をM2D-PAGE法の未変性-未変性条件下(I型)および未変性-変性条件下(II型)で分析し、CBB染色を用いてタンパク質スポットの動態解析を行った。 結果:慢性腎不全ネコ血漿では、M2D-PAGE I型およびII型において、IgMおよびPre-albuminの2つのタンパク質スポットが増加していた。さらにM2D-PAGE II型で低分子量領域において2つのスポットの増加が観察された。この増加したタンパク質スポットうち1つは、ウエスタンブロット(WB)法によりRBPと同定されたが、他方のタンパク質スポットは同定されなかった。 糖尿病ネコ血漿では、1つのタンパク質スポットで増加が観察され、2つのタンパク質スポットで減少が観察された。増加したタンパク質スポットは、WB法によりHaptoglobinと同定されたが、減少したタンパク質スポットは未同定である。 糖尿病イヌ血漿では、M2D-PAGE I型およびII型において2つのタンパク質スポットで増加が観察された。一方、II型において低分子量領域の比較では、1つのタンパク質スポットの減少が観察された。なお、未同定のタンパク質スポットについては、WB法を含めたタンパク質同定法で解析中である。 さらに、併せて高感度染色法を用いた早期腎症診断マーカーのタンパク質スポットの検出も検討中である。
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