2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト固形癌における受容体チロシンキナーゼ型癌遺伝子の異常の解析と治療への応用
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15590298
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大井 章史 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (50160411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 浩二 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (40283204)
土橋 洋 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (90231456)
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Keywords | c-erbB2 / EGFR / Colorectal cancer / FISH |
Research Abstract |
山梨大学・外科で過去に切除された各種の癌について、代表的なホルマリン固定・パラフィン包埋切片を用いて、免疫組織化学法(抗c-erbB-2抗体、ニチレイ社製抗ヒトc-erbB-2蛋白細胞内ドメイン抗体:抗EGFR抗体、Novocastra社製抗ヒトEGFR蛋白細胞外ドメイン抗体;C-MET抗体、Novocastra社)、及びFISH法(c-erbB-2 DNAプローブ、17q11.2-q12特異的EGFR DNAプローブ、7p12特異的;c-met DNAプローブ、7q31特異的プローブ)(Vysis社)を用いて各癌遺伝子の過剰発現と遺伝子増幅を検討し以下の結果を得た。 (1)大腸癌におけるc-erbB-2およびEGFRの過剰発現および遺伝子増幅の検索 244例の大腸癌を検索し、3%にc-erbB-2の過剰発現を認めその全例に遺伝子増幅を認めた。EGFRの過剰発現は8%にみられ、このうち約半数に遺伝子増幅を認めた。 (2)肺癌におけるEGFRの過剰発現および遺伝子増幅の検索 181例の肺癌(小細胞癌を除く)を検索し、34%に蛋白過剰発現を認め、その72%に遺伝子増幅を認めた。 (3)胆道癌におけるc-erbB-2,EFGRおよびc-metの過剰発現および遺伝子増幅の検索 157例の胆道癌を検索し、6%にc-erbB-2の過剰発現を認めその全例に遺伝子増幅を認めた。EGFRの過剰発現は8%にみられ、このうち62%に遺伝子増幅を認めた。c-metの過剰発現は5%にみられ遺伝子増幅はみられなかった。 (4)食道癌におけるEGFRの過剰発現および遺伝子増幅の検索 117例の扁平上皮癌を検索し40%に蛋白過剰発現を認め、その34%に遺伝子増幅を認めた。
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