2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト固形癌における受容体チロシンキナーゼ型癌遺伝子の異常の解析と治療への応用
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15590298
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大井 章史 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (50160411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土橋 洋 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (90231456)
河野 浩二 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (40283204)
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Keywords | HER-2 / EGFR / c-met / gene amplification / FISH / protein overexpression |
Research Abstract |
各種固形癌について、代表的なホルマリン固定・パラフィン包埋切片を用いて、免疫組織化学法で蛋白の過剰発現を、FISH法用いて各癌遺伝子の遺伝子増幅を検索し以下の結果を得た。 1.大腸癌 244例の大腸癌を対象とした。HER-2とEGFRの過剰発現はそれぞれ8例(3%)と19例(8%)に認められた。遺伝子増幅は蛋白過剰発現のみられた症例のそれぞれ100%と58%にみられた。HER-2の増幅は凝集したシグナルとなって現れhomogeneous staining region(HSR)上での増幅を示唆しており、EGFRの増幅は均等に分散した数10個のシグナルとなって観察されdouble mibute chromosomes(DM)上での増幅を示唆した。 2.肺癌 181例の非小細胞性肺癌を検索したところ、34%にEGFRの過剰発現がみられ、このうち74%にEGFR遺伝子の増幅がみられた。高度過剰発現と高度増幅には相関がみられた。単一腫瘍内での遺伝子増幅は不均一にみられ肺癌のgenetic heterogeneityを示した。 3.胆道癌 157例の胆道癌を検索し、6%にc-erbB-2の過剰発現を認めその全例に遺伝子増幅を認めた。EGFRの過剰発現は8%にみられ、このうち62%に遺伝子増幅を認めた。c-metの過剰発現は5%にみられ遺伝子増幅はみられなかった。 4.食道癌 106例の食道扁平上皮癌を検索し、53例(50%)にEGFRの過剰発現があった。このうち23例では陽性細胞が限局してみられ(locaiized type),他の30例では陽性細胞が癌胞巣の辺縁にみられた(peripheral type).EGFR遺伝子の増幅は15例に認められすべてがlocalized typeであった。
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Research Products
(5 results)