2004 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞の軟骨分化誘導におけるプロテオグリカンの役割
Project/Area Number |
15590355
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 秀人 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 助教授 (90240514)
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Keywords | 軟骨 / 軟骨分化 / 間葉系幹細胞 / TGF-β / プロテオグリカン / バーシカン / PG-M / BMP |
Research Abstract |
ヒト間葉系幹細胞のペレット培養系において、TGF-βおよびBMP-6処理、さらに超音波刺激の軟骨分化に対する影響を検討した。TGF-β処理によりペレットの軟骨分化誘導が観察されたがBMP-6単独では細胞は分化誘導されなかった。超音波刺激はTGF-β処理したペレットの軟骨分化を促進したが、未処理群に対しては効果を示さなかった。この結果からTGF-β処理は軟骨分化誘導に必須でありその作用を超音波が促進すると考えられた(Tissue Engineering,10,921-929)。TGF-βによる軟骨分化誘導へのシグナル伝達経路に関しては検討中である。 軟骨分化初期の間葉系細胞凝集領域にバーシカン/PG-Mが一過性に強く発現することが知られている。軟骨分化初期段階の同プロテオグリカンの役割を軟骨系N1511細胞を用いて検討した。その結果、分化初期のバーシカン/PG-Mの発現はその後のアグリカンの転写に不可欠であり、その作用は細胞外マトリックスに沈着した同分子のコンドロイチン硫酸鎖によるものであることがわかった(J Biol Chem, submitted)。 バーシカン/PG-Mはその後、関節軟骨表面に局在することが免疫染色からわかった。この部立ではピアルロン酸、リンクタンパク質も共存していた。さらに軟骨組織を採取して生化学的に検索したところ、軟骨にはバーシカンの会合体も存在することが明らかとなった。軟骨にはアグリカン会合体、バーシカン会合体の2種類が存在し、各々特異的な機能を果たしているものと考えられた(J Biol Chem, submitted)。
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Research Products
(2 results)