2003 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子over loadにおけるマクロファージ活性酸素の役割の検討
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15590532
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
大山 正幸 大阪府立公衆衛生研究所, 生活環境部, 主任研究員 (40175253)
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Keywords | macrophage / superoxide / man-made mineral fibers / sillca |
Research Abstract |
様々な粉塵に対する粉塵の個数当たりのマクロファージのスーパーオキサイド生成能を比較した。鉱物繊維ではその種類が異なっても繊維サイズと繊維個数当たりのスーパーオキサイド生成能が正相関した。この結果は、鉱物繊維では繊維の物性より繊維形状に依存しマクロファージがスーパーオキサイドを放出することを示唆する。一方、粒子形状に対するマクロファージの反応性の検討では4種類の粒径のシリカ粒子とその試料を800度で加熱したシリカ粒子とを用い、この反応における粒子サイズの役割や加熱(粒子の物性の違いのモデル)の役割を検討した。シリカ粒子は800度で加熱すると生体影響が弱まることが知られている。非加熱・加熱シリカ粒子共、大きな粒子の方が小さな粒子より粒子個数当たりの生成能は高かった。但し、個数当たりの生成能の強さは鉱物繊維は非加熱シリカ粒子より数倍強く、非加熱シリカ粒子は800度加熱シリカ粒子より約2倍強かった。これらの結果は、粒子でも粒子サイズに依存しマクロファージがスーパーオキサイドを放出したが、鉱物繊維の種類の違いによる反応性の違いが認められなかったことに対し、粒子ではその物性の違いにより反応性が異なることを示唆する。その原因として、鉱物繊維の反応量が大きなことから、繊維形状は繊維の物性の違いによる反応性の差を誤差の範囲とするほど大きな影響をしたためと考えられる。また、鉱物繊維が粒子より大きな反応性を示す原因としては、単純に粉塵の表面積に比例してスーパーオキサイドが放出されるのではなく、マクロファージの何らかの特性と思われる(表面積当たりでは鉱物繊維の方がシリカ粒子より極端に反応性が強い)。
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