2004 Fiscal Year Annual Research Report
ABO式血液型遺伝子の転写調節の解明と上流域の突然変異に基づく血液型亜型の検索
Project/Area Number |
15590575
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小湊 慶彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30205512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 由紀子 富山医科薬科大学, 医学部, 教務職員 (30311674)
|
Keywords | 転写 / ABO遺伝子 / Nボックス / 転写因子 |
Research Abstract |
フコース転移酵素FUTの産生物であるH抗原が、ABO式血液型合成酵素が触媒する反応の基質となるため、ABH抗原の生合成にはABO遺伝子とFUT遺伝子が共発現することが要求される。本研究結果から、ABO遺伝子の上流域にはN-boxがあり、このN-boxに蛋白が結合し、転写抑制に関わることが示された。N-boxにはbHLH型の転写抑制因子が結合することが知られている。ところで、FUT遺伝子の上流域を検索するとE boxがあり、bHLH型の転写因子が転写の活性化に関わっていることが推測された。N-boxに結合する転写抑制因子は他のbHLH型の転写活性化因子とヘテロダイマーを形成し、転写を抑制することが知られているので、FUT遺伝子においてはbHLH型の転写抑制因子がbHLH型の転写活性化因子とヘテロダイマーを形成し転写を抑制し、ABO遺伝子ではbHLH型の転写抑制因子が上流域に結合して転写を抑制することが予想された。逆に、このbHLH型の転写抑制因子が減少すれば、FUT遺伝子においてはbHLH型の転写活性化因子により転写が活性化され、ABO遺伝子ではbHLH型の転写抑制因子による転写抑制が解除され転写が活性化され、ABO遺伝子とFUT遺伝子が共発現することが予想された。以上のような血液型抗原の合成における、連続して触媒作用を行う糖転移酵素は遺伝子発現レベルで協調して発現・作用するというモデルに到達した。
|
Research Products
(6 results)