2003 Fiscal Year Annual Research Report
ラット中脳グリオーマモデルの作成と腫瘍抑制因子のスクリーニング
Project/Area Number |
15591523
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
紙谷 秀規 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70194967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷浦 晴二郎 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (50291464)
田渕 貞治 鳥取大学, 医学部, 助手 (40314603)
渡辺 高志 鳥取大学, 医学部, 教授 (00175100)
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Keywords | 中脳グリオーマ / 実験脳腫瘍 / C6グリオーマ / 抗腫瘍効果 / 定位脳装置 |
Research Abstract |
まず初年度の研究実績としては、ラットC6グリオーマ細胞株を培養し、定量的にラット脳に移植することに成功したことである。移植した細胞数は一回当たり、5万細胞数を1マイクロリットルの容量で2分間かけて注入。装置は本研究費で購入したマウス仕様の脳定位固定装置(成茂科学器械)を使用した。特に本研究では髄内に的確に細胞を注入する技術的なことに重点をおき、中脳、橋といった脳幹部への移植に成功した。移植細胞が外部に漏れ、髄外への浸潤するモデルでは実際の脳腫瘍移植モデルとしては不十分であった点を金属マイクロシリンジを数日間埋め込むよう工夫することにより精度の高い脳腫瘍(グリオーマ)脳幹移植モデルが完成した。そうした脳幹移植モデルの作成によりは大脳半球グリオーマ移植モデルとの比較が可能となった。とりあえず移植後、3日、7日、10日後のモデルが作成されたことより、移植後2週間以内で、薬剤注入による抗腫瘍効果判定が可能なモデルとなった。実際の標本は現時点ではHE標本しかないもののその容量比較は可能であり、今後免疫組織化学的手法により、その生化学的特性を解析することが容易となった。当初期待していた結果の一つが、中脳移植モデルではそのグリオーマ増殖速度が何らかの因子により抑制され、増殖、増大しないのではないかと予想していた。残念なことに本年度の研究実績としてはその予想(推測)は、当てはまっていないこともわかった。しかし、定位的に確実な中脳グリオーマ移植モデルが完成し、さらにその近傍の橋にも移植可能であることが判明したので、今後脳幹グリオーマのラットモデルとして応用できうる可能性を示唆した。
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