2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラット中脳グリオーマモデルの作成と腫瘍抑制因子のスクリーニング
Project/Area Number |
15591523
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Research Institution | National University Corporation Tottori University |
Principal Investigator |
紙谷 秀規 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助教授 (70194967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 高志 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (00175100)
田渕 貞治 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助手 (40314603)
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Keywords | 中脳グリオーマ / 実験脳腫瘍 / C6グリオーマ / 定位脳装置 / 局所注入 |
Research Abstract |
初年度には脳幹に定位的にC6グリオーマ細胞を移植、注入することに成功し、平成16年度はその応用の実験を重ねた。ステンレス製マイクロシリンジを移植部位に数日間埋め込む方法で注入部位を安定化させ、定量的にグリオーマ細胞を移植することを可能にした。そのため大脳半球、橋、中脳それぞれに同量のC6グリオーマ細胞を移植し、その腫瘍増大率を比較検討した。その結果、C6グリオーマ移植モデルにおいては脳内どの部位でも同様の腫瘍増大を示すことが判明した。さらに免疫組織化学的手法により移植脳腫瘍における増殖因子関連蛋白の発現を見た。主に中脳移植モデルにつき検討したが、それによると、EGFR, FGFR, VEGF, MMP familyの発現を認めた。さらに腫瘍増殖能をMIB-1 indexで評価したところ、およそ30%であることが判明した。この結果は以前我々がラット皮下に移植したC6グリオーマモデルで得られた皮下移植グリオーマモデルとほぼ同様の腫瘍増大能力があることも判明した。中脳移植グリオーマモデルが腫瘍増殖抑制因子の作用により増殖が妨げられるとの我々の仮説は完全に否定される結果となった。 しかしこの実験で得られたことがある。それは脳幹に移植グリオーマモデルを作成する過程で、マイクロシリンジが頭部腫瘍内に埋まったまま腫瘍が増大するモデルである。そのため、そのシリンジを使用して薬剤の注入が手的確に行われることが可能なモデルである。これは脳腫瘍の腫瘍内化学療法につながるモデルでもある。つまり近年盛んに試みられているconvection enhanced delivery (CED)の脳幹グリオーマモデルともいえる。このように本研究から将来につながる発展性を持った脳腫瘍治療モデルが完成したと言える。 なお以上の研究成果は"Establishment of experimental glioma models at the intrinsic brainstem region of the rats"としてNeurological Researchに現在投稿中である。
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