2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト栄養膜細胞の機能的分化を担う分子に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15591733
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
己斐 秀樹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20280969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 俊郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50126223)
麻生 武志 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60093176)
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Keywords | ヒト栄養膜細胞 / 絨毛性栄養膜細胞 / 絨毛外栄養膜細胞 / primary culture / differential display法 / 遺伝子発現の差 / 分化 / 胎盤 |
Research Abstract |
本研究では、胎盤の主要な構成細胞である栄養膜細胞の1)絨毛性の栄養膜細胞(villous trophoblast ; TV)と絨毛外栄養膜細胞(extravillous trophoblast ; EVT)への系列の異なる細胞群への分化に関わる分子及び2)絨毛を形成する栄養膜細胞においてcytotrophoblast(CT)からsyncytiotrophoblast(ST)への合胞化に関わる分子をヒト絨毛から分離した絨毛細胞を用いて発現の差を見ることで明らかにする。 当研究機関の倫理委員会の承認と患者様のインフォームドコンセントのもとに、Grahamら(1992年)の方法を用いて妊娠初期絨毛より分離したEVT及びKliemanら(1986年)の方法により妊娠満期胎盤の絨毛よりCT及びSTを分離した。磁気利用細胞分離装置を用いたnetative selectionにより混入の可能性のあるマクロファージと繊維芽細胞を除去して、純度の高い栄養細胞として、そこからmRNAを抽出した。なお、栄養膜細胞は培養する酸素濃度によって細胞の性質がかわることが知られており、培養の気相の酸素分圧を変化させてVTでは20%酸素で、EVTでは5%酸素濃度の条件下で培養した。分離したmRNAから遺伝子増幅装置を用いてcDNAを合成し、それらを用いてdifferential display法(DD法)にて、EVTとVT(CT)との発現の差異及びCTとSTの差異を現在比較している。発現に差の認められたいくつかの遺伝子に関して、現在塩基配列をシークエンサーを明らかにし、すでに報告されている分子の塩基配列をコンピュータを用いて解析中であり、今後妊娠週数のことなる胎盤組織での発現を比較し、in vitroの増殖、浸潤、および合胞化のモデル実験系を用いて生理学的意義を明らかにする予定である。
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