2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病眼における白内障術後の後発白内障と前嚢収縮発症の機序の解明と予防法の確立
Project/Area Number |
15591847
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 聡 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20214372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶋 はるみ 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10297517)
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Keywords | 糖尿病 / サイトカイン / 後発白内障 / 前嚢収縮 / 術後炎症 |
Research Abstract |
臨床的に白内障術後の前嚢収縮と後発白内障の関連について検討した。術後炎症が高度な症例では、各種サイトカインの産生により水晶体上皮細胞の増殖が促進されるため、前嚢収縮や後発白内障が高度となることが考えられた。そこで、124例124眼で術後炎症と前嚢収縮、後発白内障について検討したところ、術後炎症と前嚢収縮の程度には関連が見られたが、後発白内障との間に関連は見られなかった。 次に糖尿病眼で後発白内障の程度と前嚢収縮の程度との関連について検討したところ、その二者の間には相関は見られず、これらのことより、白内障術後の前嚢収縮と後発白内障はその原因が、水晶体上皮細胞に起因するが、両者の相関が見られなかったことにより、その機序は異なることが推察された。 実際に白内障術後の前嚢収縮や後発白内障の予防のために、水晶体嚢拡張リングを白内障手術中に挿入してみたが、その効果は認められなかった。 糖尿病眼における水晶体上皮細胞の形態学的特徴について検討した。その結果、糖尿病眼水晶体上皮細胞が正常眼に比べて、IL-1、TGF-β活性が強いことを免疫組織学的に初めて報告した。また正常眼に比較し糖尿病眼は、細胞増殖が強く、また培養で増殖、伸展していく段階でIL-1、TGF-β活性がより強くなることも示された。
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Research Products
(1 results)