2005 Fiscal Year Annual Research Report
波面光学を用いた屈折矯正手術の基礎的研究:収差および散乱の視機能への影響評価
Project/Area Number |
15591854
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 直之 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (00273623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 幸二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40244610)
不二門 尚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50243233)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
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Keywords | 波面光学 / 屈折矯正手術 / 収差 / 散乱 / 視機能 / 不正乱視 / 波面センサー / エキシマレーザー |
Research Abstract |
正常家兎眼、およびエキシマレーザーを用いてPRKを施行後の家兎眼に、Scannning Laser Ophthalmoscopeによって網膜に文字視標を投影し、その像を眼底撮影にて記録する研究に関しては、術後の角膜実質の瘢痕が問題となり、収差の測定が困難であることが判明した。この瘢痕形成を抑制することを目的として、培養角膜上皮シートをエキシマレーザー照射後の表面に移植する実験を施行した。その結果、上皮シートを移植することによって有意に角膜実質の瘢痕形成が抑制された。 高次収差成分毎の視機能に及ぼす影響の比較検討として、単眼3重視を訴える症例6例について、高次収差測定を施行し、Zernike展開した項の係数を検討したところ、これらは全例核白内障を有する近視症例であり、同年齢のコントロールと比較して矢状収差と球面収差が有意に増加しており、これらの収差の合成の網膜像をシミュレーションしたところ、3重視のパターンを示した。 屈折矯正手術後にドライアイに対して涙点プラグが挿入されることがあるが、軽度ドライアイの症例の涙点プラグ挿入前後で、高次収差を測定したところ、結膜嚢内に貯留した過剰の涙液によって、高次収差が変動することが判明し、屈折矯正手術の効果評価を波面収差解析を用いて行う場合に注意すべきことを示した。 屈折矯正手術は、照準線と角膜の交点を中心として行われ、角膜形状解析はVertex normalを軸として使用している。この軸の差が高次収差の解析にどう影響するかについて、比較したところ、角膜は照準線よりVertex normalに対して回転対称な形状を示していることが判明し、手術と解析の軸を一致させることが重要であることを示した。
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Research Products
(3 results)