2004 Fiscal Year Annual Research Report
各種全身麻酔法が術中ストレス反応および術後鎮痛に及ぼす影響
Project/Area Number |
15592134
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
岡 秀一郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (60175255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 陸雄 昭和大学, 歯学部, 助手 (50349049)
藤原 広 昭和大学, 歯学部, 助手 (80365709)
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Keywords | ストレスホルモン / GOS / TIVA / 術後鎮痛 / フェンタニル |
Research Abstract |
全身麻酔下に下顎枝矢状分割咬合改善術を予定されたASAリスク1〜2の患者で本学倫理規定に則り当研究に対する同意の得られだ症例を対象とした。対象を無作為にGOS群およびTIVA群に分け、各種麻酔法下に手術を施行した。(1)手術開始前(2)手術開始1時間(3)手術開始2時間(4)手術開始3時間の計4点で静脈血サンプルを採取し、血液サンプルから血漿エピネフリン、血漿ノルエピネフリンおよび血漿ドーパミン、ACTHを測定した。手術終了後、PCAポンプを用いて鎮痛薬(フェンタニル)を6時間静脈ルートに接続し、患者が痛みを感じ自身でPCAボタンを押し鎮痛薬のボーラス投与を行った回数,時間を記録し、手術後の疼痛を評価を行った。また、VASの測定も行い、合わせて記録した。これらの結果を基に各麻酔法におけるストレスホルモン量と術後痛の関係を統計学的見地から検索をおこなっている。現時点までの結果を下記に示す。 【結果】1.ACTHの変動は、GOS群(n=9);(1)18.4±10.4(2)86.8±77.7(3)108.3±85.9(4)290.7±221.1. AOPF群.(n=9);(1)18.4±6.2(2)83.1±3.3(3)14.6±9.3(4)8.6±1.6となり、手術開始2時間後および3時間後にGOS群において有意に上昇した。 2.血漿エピネフリンの変動はGOS群(n=9);(1)18.1±8.2(2)60.8±32.8(3)41.9±23.4(4)53.3±39.3 AOPF群(n=9);(1)18.4±6.2(2)83.1±3.3(3)14.6±9.3(4)8.6±1.6となり、手術開始2時間後および3時間後GOS群において有意に上昇した。 3.血漿ノルエピネフリン、血漿ドーパミンはGOS, AOPFの両群とも術中に有意な変化を認めなかった。 4.その他の検索結果は統計処理に必要な症例数に達していないが術後6時間の鎮痛薬要求回数およびVAS値はいずれもGOS群で高い傾向を示している。 今後、さらに症例数を加え続計処理を施し結論に結び付けたい。
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