2004 Fiscal Year Annual Research Report
独居する女性後期高齢者のサクセスフル・エイジングの日米比較
Project/Area Number |
15592351
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
谷井 康子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (10236680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯村 富子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (10389124)
安楽 和子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (60341244)
徳川 麻衣子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (00389131)
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Keywords | 独居 / 後期高齢女性 / サクセスフル・エイジング / 日米比較 |
Research Abstract |
本研究の目的は、独居する後期高齢女性のサクセスフル・エイジングに関する日米比較をし、その違いを明らかにすることである。平成16年度の研究目的は、国内の独居する後期高齢女性のサクセスフル・エイジングについてデーター収集したものを帰納的質的分析により、それに関する要因を明らかにすることと、その成果を国内の老年看護学会で発表することであった。 当初の計画では20名の対象者を予定したが、データ収集の時間的問題や対象者の健康問題などにより、最終的には14名を対象とし、分析をした。本研究では、サクセスフル・エイジングは高齢者が老いの変化に旨く適応し、生きる意味や独自の生き方を見出していること、とした。 以下老年看護学学会の発表内容についてまとめる。 研究結果及び考察:対象の平均年齢は80.2歳、平均独居期間は14.9年、独居理由は夫との死別が85.7%であった。全員が独居生活を自ら選択していた。将来については出来るだけ現在の自由な自律した生活を継続したいと望んでいた。健康状態は全員が骨粗鬆症や腰痛、膝関節痛、白内障などの慢性症状を持ち、毎月数回受診し、治療を継続していた。進行する健康障害に対して、福祉サービスの利用や体力に合わせた地域活動の選択など生活様式の変更を自ら行い環境への適応を図っていた。高齢者の集いやボランティアなどの地域活動への参加は他者との交わりや人の役に立っているという充実感を得ており、独居する後期高齢女性の精神的健康のために効果的であった。また、過去の敗戦体験や被爆体験の克服は日常の困難な問題解決に対する生きる自信となっていた。体験から得た死生観については家族や地域の子供たちに話す機会を得、伝えたいと考えていた。この希望の実現は自己の存在に対する生きる誇りとなっていた。以上より、サクセスフル・エイジングに関する要因として、1.健康障害があっても自律した独自の生き方の確立 2.地域活動への積極的参加 3.過去の苦悩の克服体験から生きる意味の発見、が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)