2006 Fiscal Year Annual Research Report
独居する女性後期高齢者のサクセスフル・エイジングの日米比較
Project/Area Number |
15592351
|
Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
谷井 康子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (10236680)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯村 富子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (10389124)
堀 みゆき 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (20412356)
平賀 睦 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (40446068)
|
Keywords | 独居 / 女性後期高齢者 / サクセスフル・エイジング / 日米比較 |
Research Abstract |
平成18年度の研究目的は、日米の小都市に独居する女性後期高齢者のサクセスフル・エイジングに関連する要因を平成15年に得られた日本の結果と平成17年に得られた米国の結果を比較検討し、その成果を国際学会および国内の老年看護学会に発表し、報告書を作成することである。 国際学会での発表は、THE 3^<RD> INTERNATIONAL CONFERENCE ON HEALTHY AGING AND LONGEVITY IN MELBOURNE AUSTRALIAにて、ポスター・プレゼンテーションとして発表した。当学会はWHOの共催で、老年学を中心とした医学、生物学、看護学、社会心理学などなど、高齢者の健康・長寿に関する学際的学会であった。 研究発表の内容は、日米比較の結果として、両国の共通点としては、1.規則正しい生活様式、2.自分なりの健康管理、3.趣味・楽しみ、4.自分のできる方法での人助け、5.家族との交流の大切さ、6.自律した自由な生き方の継続、であった。日米の異なる点としては、1.医療機関や福祉サービスの活用の仕方、2.過去の体験からの学び、3.価値観や信念、であった。 異なる点の特徴的なところは、日本では福祉制度や医療制度が米国に比べ整備されているため、個人の受診頻度が高く、医療機関への依存度が強く、福祉サービスの活用が盛んであり、独居する高齢者の生活をより安心できるものとしていた。一方、米国では医療機関への受診頻度や福祉制度の活用は乏しく、それらへの依存度は低く、地域の教会を中心とした繋がりが強く相互に必要な支援を行っていた。過去の体験からの学びについて、両国の歴史的背景の違いがあり、日本の高齢者は敗戦や被爆体験から死にものぐるいで生き延びた体験から自信と誇りがみられ、現在もそれらは日々の困難の乗り越えにも影響していた。米国の高齢者は敗戦体験はなく、明るく積極的に行動していき、常に新しいものにチャレンジし、切り開いていこうとする開拓精神がみられた。
|