2003 Fiscal Year Annual Research Report
P2Pコンピューティング環境における協調的情報探索のためのアクセス機構の研究
Project/Area Number |
15650011
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
北川 博之 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (00204876)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 佳治 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (80263440)
|
Keywords | P2Pネットワーク / 情報検索 / シグネチャファイル / 分散ハッシュ表 / 分散情報検索 |
Research Abstract |
インターネット環境の急激な普及と通信バンド幅の拡大を受け,近年,新たなネットワークコミュニケーションの形態としてP2Pコンピューティングが着目されている.P2Pのおける初期のファィル共有・探索アプリケーションでは,情報探索の効率はあまり考慮されておらず,ネットワークリスソースの大量消費やボトルネックの出現といった欠点が存在する.これはP2P環境における効率的な情報共有・探索機能の実現のためには,その特徴に適合した新しいデータ構造やアルゴリズムが不可欠なことを示している.また,現在P2P環境を想定して研究されている探索手法はオブジェクトのキー値の完全マッチといった単純な探索のみを対象としており,部分一致等も含めた複雑なパターンや曖昧検索等の実現が求められている.本研究では,このような現在のP2P環境における情報共有・探索アプリケーションの問題点の解決を図るため,複数ピアの協調動作に基づく効率的情報アクセス機構の開発と柔軟な探索機能を有する情報アクセス機構の実現方式の開発を目的としている. 本年度は,情報共有・探索のためのアクセス機構の基盤となるデータ構造,アルゴリズム等の開発を中心に作業を進めた.まず,特定の索引サーバを想定しないピュアP2P環境における様々な特徴量に基づく分散オブジェクト検索を実現するための手法として,分散シグネチャを用いた方式を開発した.これは,従来情報検索で用いられてきたシグネチャファイルに基づく検索手法とP2P環境に応用したものであり,分散ハッシュ表によるオブジェクト検索を分散索引エントリの検索に応用したものである.まず,基本的なアルゴリズムを定式化し,分散ハッシュ表に基づく検索としてChordを用いた場合について,シミュレーションにより提案手法の詳細な方式検討と評価を行った.また,GISTを用いた実計算機環境における実験評価も行った.これらにより提案手法の有効性を確認した.また,P2Pコンピューティング環境での各ピア間の連携に必要となる,メタ情報の獲得・流通機構についても検討を行った.このための基礎的手法として,各サイトが内包する情報の抽出手法や異種情報サイトの連携による情報検索手法の研究開発を行った.
|
Research Products
(11 results)
-
[Publications] 松下亮: "P2P環境におけるシグネチャを用いたオブジェクト検索方式"情報処理学会論文誌:データベース. 44-SIG 12. 139-149 (2003)
-
[Publications] Said Mirza Pahlevi: "Taxonomy-based Context Conveyance for Web Search"Proc.10th International Conference on Cooperative Information Systems (CoopIS 2003). 536-553 (2003)
-
[Publications] Ryo Matsushita: "Feature-based Distributed Object Search Using Signatures in Peer-to-Peer Environments"Proc.19th Annual ACM Symposium on Applied Computing (SAC 2004). 1. 729-734 (2004)
-
[Publications] Takanori Mouri: "Extracting New Topic Contents from Hidden Web Sites"Proc.IEEE International Conference on Information Technology (ITCC 2004). (掲載予定). (2004)
-
[Publications] 毛利隆軌: "プロービングとクラスタリングによる新規トピック文書抽出"日本データベース学会Letters. 2-1. 76-80 (2003)
-
[Publications] 毛利隆軌: "プロービングとクラスタリングによる新規トピック文書抽出"日本データベース学会Letters. 2-1. 76-80 (2003)
-
[Publications] 松下亮: 情報処理学会研究報告. 2003-71. 429-436 (2003)
-
[Publications] 毛利隆軌: "プロービングとクラスタリングを用いた新規トピック文書抽出"情報処理学会研究報告. 2003-72. 133-140 (2003)
-
[Publications] 崔春花: "タキソノミーを用いたWeb統合検索処理の効率化"情報処理学会研究報告. 2003-72. 117-124 (2003)
-
[Publications] 松下 亮: "P2P環境におけるシグネチャを用いたオブジェクト検索機構の設計と実装"DEWS2004. Web出版. (2004)
-
[Publications] 毛利 隆軌: "Hidden Webサイトからの新規トピック文書抽出におけるプロービングの効率化"DEWS2004. Web出版. (2004)