2003 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病を予防する定期的な運動習慣の形成要因を経済学の手法を用いて明らかにする
Project/Area Number |
15653016
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸田 研作 岡山大学, 経済学部, 助教授 (30346407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿原 浩明 立命館大学, 経済学部, 教授 (20351314)
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Keywords | 予防行動 / 健康知識 / 項目反応理論 |
Research Abstract |
背景:一般成人の健康に関する知識は人々の健康行動を説明する要因として重要と考えられる。近年、心理測定の分野で用いられている項目反応理論は質問票開発においてランダムサンプリングが必要でなく、項目ごとの性能評価が可能となるので後に項目を増減するなどの自由度が高く、従来の古典的テスト理論の欠点をカバーするものである。 目的:項目反応理論に基づき一般成人の健康に対する知識を定量する方法を開発するため、質問内容を吟味しその一元性を評価すること。 対象と方法:非医学系大学生及び保健学系大学院生を対象にそれぞれ15項目からなるがん、循環器系疾患、健康習慣に関する知識について自記式調査を行った。各質問項目は5つの選択肢からなり、一つの正解を回答するものである。 結果:保健学系大学院生の項目別正答率の平均値はがん、循環器、健康習慣それぞれにおいて0.80,0.69,0.68であり、非医学系大学生のそれと比較して有意に高かった。保健系大学院生の正答率が50%以下のものはがん、循環器、健康習慣でそれぞれ15項目中2,5,3項目であった。全得点と項目得点間のシリアル相関係数で0.2以下、0.3以下の項目の数はがんで1項目,6項目、循環器で3項目,5項目、健康習慣で2項目,5項目であった。以上より難易度の高い項目と全得点との相関が低い項目を除いて残された項目の一次元性を確認した。考察及び今後の課題:得られた固有値をプロットするとがんと循環器で第一因子がそれ以降の因子より特に高いトレンドが見られるが、一次元性が十分に保証されたとは必ずしもいえない。
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