2004 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害児に読み書き習得評価のための項目作成に関する基礎的研究
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15653075
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 忠明 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90144790)
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Keywords | 聴覚障害児 / 読み書き習得 / 個別指導計画 / 国語科指導 / 国語科教科書 / 手話使用 / アメリカ合衆国 / スウェーデン王国 |
Research Abstract |
本年度は、アメリカ合衆国およびスウェーデン王国の聾学校における読み書き指導と習得評価の実際について現地調査を実施するとともに、わが国の聾学校における国語科教科書を用いた国語科の授業場面での教師の発問内容と教科書の記述内容との関連について調査を実施した。 前者の調査では、アメリカ中西部の3校の聾学校と大学、スウェーデンの2校の聾学校と大学を訪問し、手話を用いた書記言語獲得のための指導の実際と、書記言語習得の評価の内容や評価項目に関する資料を収集した。両国ともに近年は、聾学校に人工内耳装用児や補聴器装用児が入学してきており、特に個別に対応した指導の在り方と、書記言語習得のための指導方法確立が大きな課題となっていた。国の制度の違いがあり、同じ考えや方法をわが国に導入することはできないが、特にアメリカの某聾学校では、IEP(個別教育計画)の作成と密接に結びついて、読み書きに焦点を当てた指導や評価システムが構築されていた。それらも含めた各種の資料の分析、検討を通して、わが国にも適用可能な側面について示唆を得ることができるものと思われる。 後者の調査では、実施の承諾を得られた国内の3校の聾学校を対象とし、実際に行われた国語科教科書を用いた授業場面を録画記録した。授業場面は大きく低学年と高学年に分け、それぞれ複数時間にわたる授業場面を記録した。授業の中での教師の発問のうち、教科書の記述内容に関連した発問について取り上げ、教科書の記述(書きことば)のどのような側面についての理解が、授業を展開するうえで求められるのかについて検討を行った。
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