2003 Fiscal Year Annual Research Report
ポートフォリオ理論にもとづく少額資産運用モデルの開発とその実証
Project/Area Number |
15656025
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
今野 浩 中央大学, 理工学部, 教授 (10015969)
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Keywords | 少額資産運用 / 平均・絶対偏差モデル / 非凸型取引コスト / 大域的最適化 / 整数計画法 / 分枝限定法 |
Research Abstract |
1.少額資産の下でのインデックス・プラス・トラッキング・モデルの研究 機関投資家が最も良く利用している資産運用手法は、インデックス(たとえばTOPIX)と同様な動きをするポートフォリオを組む「インデックス運用」である。しかしこの種の方法は、通常かなり多くの資産をポートフォリオに組みこむ必要があるため、少額資産の運用には適さない。多数の銘柄を少量だけ購入するにあたっては、かなりの額の取引コストの支払いが必要となり、予定した収益をあげることは難しいからである。 今回提案したのは、与えられたインデックスを上廻るパフォーマンスをあげるポートフォリオを、比較的少数の銘柄で構築する手法である。 この問題は線形制約と整数条件の下での区分的線形凹関数最小化という、数学的に難しい最適化問題となるが、分枝限定法に様々な工夫を施してこの問題を解き、その結果得られたポートフォリオが、実際に一定の期間インデックスを上廻るパフォーマンスを示すことを実証した。 2.0-1整数計画を用いた少額資産運用モデルの解法 少額資産運用に関わる非凸型最適化問題を解くためには、従来大域的最適化の分野で開発された分枝限定法が利用されてきた。しかしある種の問題に対しては、より古典的な0-1整数計画を用いた方がより問題が効率的に解ける可能性がある。そこで、凹型取引コストの下での資産運用最適化問題に大域的最適化手法と0-1整数計画を併用したところ、従来解けなかった大型問題がとけることが確認された。今後この手法を様々な問題に拡張したいと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Konno, H., Yamamoto, R.: "Minimal Concave Cost Rebalance of a Portfolio to the Efficient Frontier"Mathematical Programmind. B97. 571-585 (2003)
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[Publications] Konno, H.: "Portfolio Optimization of Small Scale Fund using Mean-Absolute Deviation Model"International J.of Theoretical and Applied Finance. 6. 403-418 (2003)
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[Publications] Konno, H., Yamamoto, R.: "Optimization of Long-Short Portfolio under Nonconvex Transaction Costs"Computational Optimization and Applications. (to appear). (2004)
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[Publications] Konno, H., Hatagi, T.: "Index Plus Alpha Tracking under Concave Transaction Costs"European J.of Operational Reasearch. (to appear). (2004)
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[Publications] Konno, H., Yamamoto, R.: "Global Optimization vs Integer Programming in Portfolio Optimization under Nonconvex Transaction Costs"J.of Global Optimization. (to appear). (2004)
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[Publications] Konno, H., Koshizuka, T.: "Mean-Absolute Deviation Model"IIE Transaction. (to appear). (2004)