2003 Fiscal Year Annual Research Report
有機薄膜の積層化による伝導キャリアの膜中蓄積効果の研究
Project/Area Number |
15656081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50323530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大畠 昭子 群馬大学, 工学部電気電子工学科, 助手 (00301747)
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Keywords | ペンタセン / インピーダンス / Au / ペンタセン接触 / 臨界核サイズ / 粒密度 / 赤外特性 / 誘電率 / 薄膜成長機構 |
Research Abstract |
本年はペンタセン薄膜に関して以下の3点について研究をおこなった。 (1)金属でペンタセン薄膜を挟んだMIM構造のキャパシタを作成し、ペンタセン薄膜の誘電特性を調べた。金属としてAuを用い、インピーダンスの周波数特性を解析することで、ペンタセン薄膜固有の誘電率、ペンタセンの固有抵抗、Au/ペンタセンのキャリアインジェクション抵抗、について定量化した。Au/ペンタセンはオーミックコンタクトとされるが、微細化にともないこの抵抗は極めて大きくなり、トップソース・ドレインでのFETの駆動力を大きくさげることが予測される。 (2)ペンタセン薄膜の真空蒸着成膜過程を表面の粒密度を基板温度の関数として評価することで詳細に検討した。この結果から、成膜時の成長温度の違いによる臨界核サイズの変化の存在が明瞭に示された。またこの結果は基板によって強く影響され、SiO2とMgO基板とでは大きな違いがあることがわかった。平坦性のよい膜を成長させるための基礎データとして重要と考えている。 (3)ペンタセン薄膜の光学特性の評価。これはペンタセンの電子状態を知るための試みであり、ペンタセン膜質を変えることで、可視、赤外での吸収特性が変化するかどうかに関しで評価した。成膜条件、粒径などによる光学特性の大きな変化は観測されていないが、わずかな電子状態の変化を見つけて行くには有用な方向であり高精度化に現在もつとめている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Tejima, et al.: "Anomalous Growth Temperature Dependence of the Surface Roughness of Pentacene Thin Films"Extended Abstracts of 2003 International Conference on Solid State Devices and Materials. 214 (2003)
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[Publications] T.Komoda, et al.: "Performance and Degradation in Single Grain-size Pentacene Thin-Film Transistors"Jpn.J.Appl.Phys.. 42,No.6A. 3662 (2003)