2003 Fiscal Year Annual Research Report
In-Cell NMR:細胞内蛋白質間相互作用の直接解析法の開発
Project/Area Number |
15657031
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 隆 独立行政法人理化学研究所, 遺伝生化学研究室, 先任研究員 (80261147)
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Keywords | In-Cell NMR / 生細胞 / 蛋白質間相互作用 / 安定同位体標識 / 高分解能 / 非破壊性 |
Research Abstract |
本研究の目的は,In-Cell NMRの手法を用いて,生細胞中の蛋白質間相互作用を直接観測するシステムを確立するというものである. In-Cell NMRには,高分解能と非破壊性という2つの大きな長所がある一方で,低感度と効率の良い蛋白質発現系の必要性という大きな問題が存在する.低感度を克服するためには,ハードウエア的改良や測定法の改良を,また効率の良い蛋白質発現システムについては,大量かつ選択的な蛋白質発現法および安定同位体標識法の開発を行っていく必要がある.平成15年度は以下のポイントについて開発研究を行った. 1.大腸菌を用いた応答性・選択性が良い蛋白質大量発現系の検討 大腸菌ImmE6,大腸菌YdiE,酵母ubiquitin,酵母Mre11C末端領域,ヒトRad51N末端領域の5種の蛋白質について,大腸菌を用いた大量発現系を構築し,In-Cell NMR観測を試みた.このうち,酵母Mre11C末端領域については,in vitroのスペクトルと同様のIn-Cell NMRスペクトルを測定することに成功した. 2.^<13>C/^<15>N二重標識を用いたIn-Cell NMRシグナルの帰属法の検討 In-Cell NMRでは,細胞中の粘性などの影響でシグナルの線幅が著しく増大するため,NMRシグナルの位置特異的帰属が困難になる.これを解決するために,均一^<15>N標識と併せてアミノ酸選択的^<13>C標識を行い,三重共鳴In-ell NMRを測定することを試みた.その結果,In-Cell NMR条件であっても三重共鳴NMRの測定が可能であり,位置特異的帰属に非常に有効であることが証明された. 3.低温プローブを用いたNMRシグナルの測定感度増大の検討 低温プローブ装置を用いて,In-Cell NMRにおける感度上昇について検討した結果,2〜3倍の感度上昇を観測した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masatoshi Yoshimasu: "An NMR study on the interaction of Escherichia coli DinI with RecA-ssDNA complexes."Nucleic Acids Research. 31. 1735-1743 (2003)
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[Publications] Sundaresan Rajesh: "A novel method for the biosynthesis of deuterated proteins with selective protonation at the aromatic rings of Phe, Tyr and Trp."Journal of Biomolecular NMR. 27. 81-86 (2003)
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[Publications] Masayoshi Honda: "Backbone ^1H, ^<13>C, and ^<15>N Assignments of a 42 kDa RecR Homodimer."Journal of Biomolecular NMR. 28. 199-200 (2004)