2003 Fiscal Year Annual Research Report
精子形成過程での細胞質mRNAポリA鎖伸長制御の意義に関する研究
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15657050
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 忠 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (40165056)
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Keywords | マウス / 精細胞 / 精子形成 / mRNA / ポリA鎖 / 転写因子 / 核移行 / 減数分裂 |
Research Abstract |
精子形成過程での細胞質mRNAポリA鎖伸長制御に関して研究を行い,以下のような新しい成果を得た。 (1)精細胞に存在する細胞質型ポリAポリメラーゼTPAPと相互作用するタンパク質の探索を行い,精子形成過程でTPAPと同調して発現するCPSF160とCPEB2を候補分子として同定した。組換えタンパク質を用いたプルダウン法によって,TPAPはCPSF160と,CPSF160はCPEB2とそれぞれ相互作用していることが明らかになった。また,抗TPAP抗体を用いた共免疫沈降を行い,分子シャペロンであるHsp70.2が沈降物に含まれていることを見いだした。現在,TPAPがこれらのタンパク質とどのような複合体を形成して,どのようにmRNAポリA鎖伸長に関与しているかを検討中である。 (2)TPAPが制御するTAF10の特異的な核輸送システムを調べるために,まず抗TAF10抗体を用いて共免疫沈降を行った。その沈降複合体に,モータータンパク質KIF2AとポリA鎖結合タンパク質PABP1が含まれていた。興味深いことに,TPAP欠損マウス精巣ではKIF2AのりmRNA量は野生型と同じであるが,そのタンパク質量は激減していた。さらに,KIF2AのmRNAポリA鎖伸長がTPAP欠損マウスで不完全であった。以上の結果は,TPAPがポリA鎖伸即長によってKIF2Aの翻訳を制御し,ひいてはTAF10核移行に関与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sugiura Shin: "Expression of a testis-specific form of TBP-related factor 2 (TRF2) mRNA during mouse spermatogenesis"Journal of Reproduction and Development. 49. 107-111 (2003)
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[Publications] Doi Hirotoshi: "Functional activation of arylhydrocarbon receptor (AhR) in primary T cells by 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin"Chemosphere. 52. 655-662 (2003)
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[Publications] Fukuzawa Noriho Honda: "Effects of 3,3',4,4',5-pentachlorobiphenyl, a coplanar polychlorinated biphenyl congener, on cultured neonatal mouse testis"Texicology In Vitro. 17. 259-269 (2003)
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[Publications] Zhuang Tiangang: "Transgenic expression of testis-specific poly(A) polymerase TPAP in wild-type and TPAP-deficient mice"Journal of Reproduction and Development. (in press). (2004)
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[Publications] 柏原 真一, 馬場 忠: "精巣特異的細胞質ポリ(A)ポリメラーゼTPAPによる精子形態形成制御"実験医学(羊土社). 4 (2003)