2003 Fiscal Year Annual Research Report
果樹枝への外科的処理効果は何故生じるか?木部と師部の通導性の同時測定による解明
Project/Area Number |
15658009
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山本 隆儀 山形大学, 農学部, 教授 (40007224)
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Keywords | 果樹 / 外科的処理 / 師部の通導性 / 木部の通導性 / 茎熱収支法 / ^<13>C法 / オウトウ / セイヨウナシ |
Research Abstract |
期間前半の計画に沿って、1)オウトウとセイヨウナシの苗木を用いて、ガラス室内で^<13>C法および枝内の蒸散流量計測に使用する茎熱収支法(HB法)の適切な実験設定や実験手法を検討するとともに(実験1)、2)両樹種の成木に3種類の外科的処理を施し、枝葉と果実に及ぼす影響の調査に加え、処理方法、強さ、時期などを検討した(実験2)。 【実験1の中味】(1)前年地植えの1年生苗木を塩化ビニル樹脂製ポットに移植したとき、ガラス室内では翌年の6月あるいは9月頃に実験を行うのが望ましいこと、(2)HB法装置(購入した測定装置、Flow4)の運転方法に習熟できたこと、(3)HB法による茎内水移動速度と重量法による蒸散速度(電子台秤法、Sartorius F3200S)の間に密接な関係を見出したこと、(4)同化産物と水の両者の移動を調節するための外科的処理には木部のみ除去する環状はく皮のほかに、木部と師部の両者を部分的に削り取る処理(彫刻刀利用)および師部をほとんど傷つけずに木部のみ部分的に除去する方法(ナイフの利用)を考案したこと、(5)ポット植え材料に^<13>C処理を施すための装置を検討し、アルミアングルと塩化ビニルフィルム袋を用いた簡易な同化チャンバに、内部に^<13>CO_2発生装置と外部に冷却装置(mist & fan)を取り付け、必要数製作したこと、(6)高温のガラス室内における同装置の運転試験(チャンバ内気温、相対湿度、CO_2発生後のガス濃度の変化)の検討、(7)<13>C施与材料のサンプリング方法(根量の調査など)の検討などの実験成果を得た。 【実験2の中味】無処理区に比べ、(1)結縛処理と捻枝処理は両樹種とも果径、糖度、葉厚を増大、(2)捻枝はセイヨウナシの枝の枯死をもたらした、(3)イオン発生シートの被覆の効果は無かった。
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