2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658040
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
三浦 靖 岩手大学, 農学部, 助教授 (50261459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 昭一 岩手大学, 農学部, 教授 (30321970)
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Keywords | 脂質 / トリアシルグリセロール / 結晶化 / 結晶多形 / 磁場 / 静磁場 / 示差走査熱量測定 / X線回折 |
Research Abstract |
1.実験方法 単一飽和酸型TAG(PPP, SSS)の融液(+2℃・min-1,60〜100℃まで)を試料温度制御・計測装置に装着して超伝導磁石(JMTD-5T300,ジャパンマグネットテクノロジー(株))による静磁場(5T)下で固化(-2/5℃・min-1,-10〜20℃まで)させた。温度変調示差走査熱量計(2900型MDSCセルベース,TA-5200型熱分析システム,TA Instrument, Inc.社)を用いて温度範囲-10〜100℃,平均加熱・冷却速度0.8〜2℃・min-1,温度変調振幅0.125℃,温度変調周期100sという条件で発熱・吸熱ピークに関する温度とエンタルピー変化測定した。TAG約200mgをX線回折装置の試料容器に充填させ,これを試料加熱・冷却装置に装着し,2℃・min-1で100℃まで加熱融解したTAGを静磁場(5T)のもと20℃まで5℃・min-1で冷却して凝固させた。X線回折装置(M18XHF22,ブルカー・エイエックス(株))を用いてTAGのX線回折図を得た。X線源にCu-Kαを用いて,管電圧35kV,管電流40mA,走査速度毎秒5°,測定間隔0.02°,走査角度2θ=0〜40°の条件で測定を行った。 2.結果および考察 単一飽和酸型TAG(PPP, SSS)に関しては,TMDSC法からは静磁場処理試料と対照試料には有意な変化はなく,X線回折図ではPPPにおいて静磁場処理によりα型回折ピーク面積が減少したことから,静磁場はPPPのα型生成を抑制し,SSSには影響を及ぼさず,静磁場処理の影響はTAGの脂肪酸鎖長に依存している可能性が示された。この磁場効果は,TAG分子の磁気異方性に由来すると考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Miura, A.Kusanagi, S.Kobayashi, S.Tokairin, Z.Jin: "Effect of Static Magnetic Field on Crystallization of Triacylglycerol"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. June issue(印刷中). (2004)