2003 Fiscal Year Annual Research Report
プラステイン反応を利用した血圧低下ペプチドの連続合成
Project/Area Number |
15658045
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 利郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (20238942)
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Keywords | ペプチド合成 / 血圧低下ペプチド / プラステイン反応 / 高血圧 |
Research Abstract |
化学合成されたペプチドの降圧食品素材への適用が不可能な現状で、当該保健食品の開発・研究はすべて天然蛋白質からの酵素分解を主体としている。そこで本研究では、従来の研究アプローチとは全く逆の過程、すなわち加水分解酵素の逆合成反応を利用した天然アミノ酸からの活性ペプチドの連続生産を目指した。本年度においては、まず加水分解酵素のプラステイン反応性(脱水縮合によるペプチド合成反応)を明らかにし、アミノ酸からのペプチド合成が可能かどうかの大命題的検証と、酵素剤の選択、反応条件の最適化を試みた。 1)プラステイン反応条件の検討:酵素、アミノ酸 加水分解酵素の基質特異性を考慮して、アミノ酸としてはGly,Val,Leu,Phe,Tyr,Argを選択した。対応する酵素としてキモトリプシン、トリプシン、パパイン、アルカリプロテアーゼ、ペプシンを選択した。また、反応条件は以下のように固定し、まず反応pHの影響を検討した:3mM AA:enzyme(10:1)/0.1 M phos.buffer(pH5-8),37℃,24h,反応停止0.1% TFA。反応生成物の検出は逆相HPLC(5%-35% CH3CN/0.1%TFA)法により行った。その結果、いずれの酵素においてもpH7,8ではBlankと比較して新たなピーク(220mn検出)は認められなかったが、一部酵素においては低pH環境下の条件で新たなピークが出現し、確実にペプチド合成反応が達成されていることが判明した。 2)プラステイン反応条件の検討:溶媒環境 低極性溶媒を用いて同様の検討を行ったところ、両酵素とも溶媒極性の低下とともにペプチド合成が促進された。本条件での反応収率は現在のところ0.1%であると見積もられ、さらなる収率の向上と合成ペプチド類の同定を遂行中である。
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