2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15658050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 茂二郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (80128462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 拓彦 九州大学, 農学研究院, 助手 (20332843)
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Keywords | 再造林放棄地 / 植生回復 / 植生遷移 / 先駆性樹種 / 二次林性樹種 / 水土保全機能 / 斜面崩壊 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大分県に広く分布している放棄地の位置・立地条件の把握、および現植生状況の調査ならびに周辺森林の現地調査から、放棄地の立地条件と森林の回復状態を同時に把握解析することで、再造林放棄地の森林機能問題(水土保全機能の低下等)の真偽を明らかにすることである。具体的内容は、1.既存資料の収集、2.GIS基礎情報の収集、3.放棄地の現地調査であった。 1の既存資料の収集については、研究対象地の再造林放棄ならびに同放棄地に関するこれまでの研究成果ならびに現状把握等の補助資料となるものを、大分県庁林務水産部ならびに大分県林業試験場より収集し整理した結果、1991年の大型台風襲来に伴う被害分布図とそれによると思われる放棄地の発生に関する資料の存在、および林業試験場における再造林放棄地に関する研究実績が明らかとなった。2のGIS基礎情報の収集については、対象地域内のGISおよびリモセンデータを収集し、さらにリモセンデータ解析用ソフトを購入し、それらを用いて1で収集した資料の整備を行うとともに、リモセンデータを利用して森林の変化抽出のための基礎解析を行い、非常に効率よく分類できることがわかってきた。最後に、3の放棄地の現地調査については、全対象地域内から選抜された大分県北部の放棄地17箇所(合計で30プロット)に赴き、詳細な現地調査を実施し、放棄後の植生の回復状態を明らかにした。そのデータの分析から、大分県北部における調査では、斜面崩壊等の発生している放棄地はまったく認められず、プロットによって植生パターンは異なっていたが、総じて植生の回復は順調であった。これに関してデータ解析の結果、この植生パターンの違いを決定している要因は主に放棄年数と標高であり、種子供給源となりうる放棄地に隣接している周辺広葉樹からの距離による差はみられなかった。
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Research Products
(1 results)