2003 Fiscal Year Annual Research Report
塩生植物を用いた家畜生産システムの確立に関する研究
Project/Area Number |
15658075
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 尚人 筑波大学, 農林学系, 助手 (20202963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志水 勝好 筑波大学, 農林学系, 講師 (40261771)
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Keywords | 塩生植物 / 反すう家畜 / 飼料 / 砂漠化 / 塩類集積土壌 / 環境修復 / アグロレメディエーション |
Research Abstract |
本年度は、研究計画書に記載した通り,塩生植物の種子を国内、中国およびオーストラリアから採取し、国内の海岸、筑波大学農林技術センターおよび中国内蒙古畜牧試験場において塩生植物の栽培試験を行い栽培条件に関するデータの収集を開始した。植物体として入手した塩生植物については、インビトロ消化試験法を用いて飼料価値を調べた。塩生植物アッケシソウ、七面草およびアトリプレックス、海浜植物のツルナを粗飼料のイナワラ、アルファルファ、ビートパルプおよびチモシーのインビトロ消化率と比較した場合,乾物当たりでは差は認められなかったが(57.2および57.3%)、有機物当たりで比較した場合には塩性植物および海浜植物では消化率が低く(それぞれ、49.7および60.2%)、これまでにアッケシソウで明らかにされた結果と一致した。塩生植物内で比較した場合、インビトロ消化率には大きな差は認められなかった。また、塩生植物のタンパクおよび炭水化物について、コーネル法により分画した。その結果、一般的な粗飼料と比べた場合、塩生植物のタンパクはA分画が多く、逆に、炭水化物のB2分画が少ないことが明らかになった。以上の結果は、塩生植物の飼料特性はエネルギー源としてよりもむしろ可溶性タンパク源として優れていることを示している。
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[Publications] Shimizu, K., N.Ishikawa, J.Tang, S.Muranaka, W.Cao: "Changes in crude protein, ash and glycinebetaine concentrations and content of Salicornia herbacea L. under salt treatment cultivation"Japn.J.Trop.Agr.. 47・2. 132-134 (2003)