2003 Fiscal Year Annual Research Report
分化誘導遺伝子の静脈内投与によるマウス肝臓におけるβ細胞の再生
Project/Area Number |
15659043
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
藤宮 峯子 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 高秋 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30314157)
小島 秀人 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00225434)
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Keywords | 再生医療 / 膵臓 / β細胞 / インスリン / ヘルパー依存型アデノウイルス / NeuroD / Pdx-1 / マウス |
Research Abstract |
ヘルパー依存型アデノウイルスベクターを用いて、NeuroD/betacellulin遺伝子を糖尿病マウスにin vivoで投与することで、肝臓内に膵ラ氏島を再生する事に成功し、4ヶ月以上にわたる血糖コントロールを得る事が出来た。従来の報告で、Pdx1遺伝子を投与しマウス肝臓内にβ細胞を再生する試みはあったが、たかだか8日間しか血糖コントロールが得られていない。Pdx1遺法子の投与では、膵内分泌細胞への分化と同時に膵外分泌細胞への分化が誘導されるために、外分泌酵素が肝障害を引き起こし、治療には不向きである事が判明した。一方NeuroD/betacellulinの投与では、血糖値は投与後3週目以降持続して正常化し、糖負荷試験で、血糖反応、インスリン反応ともに正常動物と差がなかった。肝臓におけるラ氏島に特異的な遺伝子の発現をRT-PCRで調べたところ、insulin-1、insulin-2、glucagon、somatostatin、PPおよび、膵特異的グルコキナーゼ、プロホルモンコンバターゼ、電位依存性Kチャンネル等のブドウ糖センシング機構、さらにPdx1、Ngn3、Pax6、Pax4、Nkx2.2、Nkx6.1、Isl1などの転写因子の発現が認められた。免疫組織化学的には、被膜直下に膵ラ氏島に見られる4つのホルモンを有する細胞塊が出現した。免疫電顕による解析で、この細胞塊に含まれる細胞はグリコーゲン顆粒を持たず、インスリン免疫活性を有する分泌顆粒が多数細胞質に観察され、膵β細胞に酷似した超微形態を示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kojima H, Fujimiya M, Chan L.(他4名): "Neuro-D/betacellulin gene therapy induces islet neogenesis in the liver and reverse diabetes in mice."Nature Medicine. 9. 596-603 (2003)
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[Publications] Kojima H, Fujimiya M, Chan L(他2名): "Extrapancreatic insulin-producing cells in multiple organs in diabetes"Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. 101. 2458-2463 (2004)
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[Publications] Chan L, Fujimiya M, Kojima H: "In vivo gene therapy for Diabetes Mellitus"Trends in Mol.Med.. 9. 430-435 (2003)
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[Publications] 小島秀人, 藤宮峯子: "マウス肝臓内で膵島新生により糖尿病の改善を導く(ニューロDベータセルリン遺伝子治療)"実験医学. 21. 1760-1763 (2003)
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[Publications] 小島秀人, 木村博, 藤宮峯子: "肝臓への遺伝子導入による膵β細胞再生"医学のあゆみ. 207. 3013-3017 (2003)
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[Publications] 藤宮峯子, 小島秀人: "In vivoベクター投与による糖尿病の遺伝子治療"胆と膵. 25(発行予定). (2004)