2003 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用に向けたクロマチン免疫沈降PCR法を用いたp53機能解析法の開発
Project/Area Number |
15659130
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 俊介 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40312657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石岡 千加史 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60241577)
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Keywords | ChIPアッセイ / p53 / SaOS2,SF126 / 96穴プレート |
Research Abstract |
1.p53の下流遺伝子(41遺伝子)のp53結合配列(すでにゲルシフトアッセイやChIPアッセイにてp53が結合することが示されているもの、あるいはルシフェラーゼアッセイにて転写応答に必要なものの応答配列が同定されていないものを含む)の周辺領域について、96穴プレートで一括してPCR反応がかかるように、プライマーおよびPCR条件の検討を行なった。その結果、SaO S2、SF126培養細胞およびヒトリンパ球由来genomic DNAを鋳型として、36遺伝子(40 PCR fragment)を一括してPCR反応がかかるような条件を設定することができた。 2.次いで、テトラサイクリンで野生型p53蛋白質の発現誘導がかかるp53 stable transformantのSaOS2、SF126培養細胞を用いて、p53のエピトープが異なる抗体(Ab-1、Ab-2、Ab-6)を用いてChIPアッセイを行なった。その際、同時にテトラサイクリンの濃度を振ってp53の発現量を変えたり、紫外線やアドリアマイシンなどのDNA損傷刺激を加えたときに免疫沈降により共沈されるDNA fragmentの変化などを調べた。その予備実験段階の結果ではあるが、p53蛋白質量とPCR産物生成量との間には大きな変化が見られなかったものの、用いた抗体により共沈されるDNA fragmentには違いが見られた。用いた抗体のエピトープ領域の修飾の差異によるものと考えられる。また、p53依存的に転写抑制が起きることが知られている数種類の下流遺伝子が共沈することも確認することができた。 3.今後はこれら細胞を用いて経時的な変化による共沈DNA fragmentの違いについても明らかにするとともに、ミスセンス変異型p53を有する培養細胞を用いて、免疫沈降されるDNA fragmentの違いについての解析を進め、p53機能をChIPアッセイで明らかにすることができるか否かについて明らかにする予定である。
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