2003 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素腫瘍環境で増殖する嫌気性菌を用いた固形腫瘍に対する治療法の開発
Project/Area Number |
15659193
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西條 康夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10270828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳江 豊 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80292275)
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Keywords | 固形腫瘍 / 嫌気性菌 / プラスミッド |
Research Abstract |
本研究では、固形腫瘍における低酸素状態に着目し、嫌気性菌が固形腫瘍に対する遺伝子治療ベクターとして臨床応用可能か検討することにある。つまり、副作用が少なくかつ固形腫瘍内で増殖しベクターとして遺伝子を発現可能な嫌気性菌を遺伝子改変し作成することである。具体的には、(1)種々の嫌気性菌を固形腫瘍担がんマウスに静脈内投与し、腫瘍内での増殖を確認する。(2)菌の毒性を軽減するよう嫌気性菌の遺伝子改変をする。(3)嫌気性菌で遺伝子発現可能なプラスミッドを開発することを目的とし、以下の研究成果を得た。 1.固形腫瘍内で増殖する嫌気性菌の選択: 既に固形腫瘍内で増殖可能であると報告されている菌(サルモネラ菌、乳酸菌、ビフィズス菌、クロストリジウム菌)ではなく、未報告の嫌気性菌であるバクテロイデス菌を用いた。バクテロイデス菌3系統を入手(毒性が異なる)し、培養しえられた培養菌をマウスの静脈内に投与し、致死量を決定した。 2.固形腫瘍担がんマウスへの嫌気性菌の投与 致死量を下回るバクテロイデス菌を固形腫瘍担がんマウスの尾静脈内に投与した。その後腫瘍を切除、ホモジェナイズ後に嫌気状態で培養を行ったところ腫瘍部から菌を検出した。バクテロイデス菌が固形腫瘍内で増殖可能であることを見出した。しかし、バクテロイデス菌投与によっても固形腫瘍のサイズはコントロールに比べて変わらず、バクテロイデス菌は、固形腫瘍に対する治療に用いるには不適当であることが判明した。 3.クロストリジウム菌 そこで、既に報告されている、クロストリジウム菌を入手し、現在同様の実験を行っている。 今後、クロストリジウム菌の弱毒化およびプラスミッドの開発を予定している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Akira Inoue, Yasuo Saijo, Toshiaki Kikuchi, et al.: "Pharmacokinetic Analysis of Combination Chemotherapy with Carboplatin and Etoposide in Small-Cell Lung Cancer Patients Undergoing Hemodialysis."Annals of Oncology. 15. 51-54 (2004)
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[Publications] Shinya Ohkouchi, Fumi Sakanashi, Shigeki Shichijyo, Yasuo Saijo, et al.: "Identification of a CTL-directed epitope encoded bty an intron of the putative tumor suppressor gene Testin of the common fragile site 7G region"European Journal of Immunology. 33. 2964-2973 (2003)
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[Publications] Kawamoto Naoki, Akira, Yamada, Ohkouchi Shinya, Yasuo Saijo, et al.: "IgG reactive to CTL-directed epitopes of self-antigens is either lacking or unbalanced in atopic dermatitis patients."Tissue Antigens. 61. 352-361 (2003)
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[Publications] Kazuhiro Usui, Yasuo Saijo, et al.: "N-terminal deletion augments the cell-death inducing activity of BAX in adenoviral gene delivery to non-small cell lung cancers."Oncogene. 22. 2655-2663 (2003)