2004 Fiscal Year Annual Research Report
リバースゲノミクス的中枢神経系機能性疾患感受性遺伝子検索法の開発
Project/Area Number |
15659267
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岡田 元宏 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (10281916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 文秋 弘前大学, 医学部, 助教授 (60200383)
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Keywords | てんかん / 感情障害 / シナプス蛋白 / カルシウムイオンチャネル / 開口分泌 / 蛋白相互作用 / セロトニン / ドパミン |
Research Abstract |
けいれん性障害の責任遺伝子・感受性遺伝子のリバースゲノミクス的スクリーニングとして、既に作出に成功している、AP3Bのμ3Bサブユニットをコードする遺伝子のノックアウトマウス(AP3B KO)の神経伝達物質遊離をwild typeと比較検討した。AP3Bは神経細胞に特異的に発現する、細胞内輸送を担う蛋白である。AP3B KOの自発性痙攣出現頻度は80%以上であり、神経伝達物質遊離は、グルタミン酸遊離の変化は認められなかったが、GABA遊離の抑制が認められた。AP3B KOにおける、シナップス小胞にGABAを取り込む小胞性GABAトランスポーターの蛋白発現量はwild-typeと比較して変化はなかったが、シナップス小胞膜上に位置する小胞性GABAトランスポーター量の低下が認められた。即ち、小胞性GABAトランスポーターが、細胞内輸送蛋白としてのAP3Bの標的蛋白であることが明らかとなった。加えて、AP3B KOのてんかん発作焦点が海馬であることから、皮質-海馬路の情報伝達機能の解析を行ったところ、wild-typeでは皮質-海馬路の主要経路はperforant pathwayであったが、AP3B KOではtemporoammonic pathwayの異常機能亢進が認められた。これは、AP3B機能不全に伴う海馬介在神経のGABA抑制性が低下した結果、皮質-海馬路の情報伝達系機能の破綻が生じ、てんかん発作が発現するものと考えられた。
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Research Products
(8 results)