2003 Fiscal Year Annual Research Report
ADAMTS4(aggrecanase-1)の軟骨組織内活性調節因子の網羅的探索
Project/Area Number |
15659362
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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Keywords | ADAMTS4 / アグリカナーゼ / 細胞外マトリックス代謝 / プロテオグリカン / 軟骨 / 分解 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
ADAMTS4は軟骨プロテオグリカン(アグリカン)分解酵素(アグリカナーゼ-1)として注目されている。ADAMTS4の活性はMMPインヒビターであるtissue inhibitor of metalloproteinases=TIMPのうちTIMP-3で特異的に阻害されるが、C末端部への未知分子の結合によってもブロックされることが最近報告されており、ADAMTS4活性のインヒビターや組織内活性制御機構に関しては多くの不明な点が残されている。本研究では、ADAMTS4のC末端部スペーサードメインをベイトにした酵母two hybrid systemによりヒト軟骨組織cDNAライブラリーをスクリーニングし、ADAMTS4と相互作用する分子群を網羅的に探索した。その結果、スクリーニングしたクローンの約20%はフィブロネクチンであり、その結合はクロスリンカーを用いた実験で証明された。また、酵母two-hybrid assayとリコンビナントADAMTS4およびその欠失ミュータントを用いた結合アッセイの実験から、それぞれの分子のC末端部で結合することが明らかにされた。ADAMTS4を発現するトランスフェクタントでは、分泌されたADAMTS4は細胞膜表面でフィブロネクチンと共存することが共焦点顕微鏡で観察された。興味深いことには、ADAMTS4のアグリカナーゼ活性は、ADAMTS4をフィブロネクチンと予めインキュベートすると完全に阻害されることが明らかとなった(IC_<50>=110nM)。また、その阻害作用はフィブロネクチンとADAMTS4のC末端部位での結合によることが証明された。以上の結果は、フィブロネクチンがADAMTS4に対してインヒビターとして作用することを示しており、ADAMTS4の細胞外での活性制御機構の一部を明らかにしている。
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