2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700113
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 渉 大阪工業大学, 情報科学部, 講師 (80323278)
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Keywords | 没入型ディスプレイ / 凸面鏡 / 可動型 |
Research Abstract |
持ち運びが容易な没入型ディスプレイ環境として,本研究では一般的な壁面に映像を投影することの可能な投影装置の開発をおこなう.一般的な壁面といっても,そのままプロジェクタなどで投影すると映像のフォーカスが合わないなどの問題を引き起こす.そこで,ここではプロジェクタ映像を凸面鏡で反射させて,焦点深度を大きくする方法をとる.この方法を実現するため,画像が壁面のどの位置に結像するか,このときプロジェクタ光学系と凸面鏡の配置関係はどうなるかを決める計算機シミュレーションをおこなった.このとき,プロジェクタの焦点距離が長いと投影装置が大掛かりなものとなるので,リレーレンズとして凸レンズを用いることで,焦点距離を短くし,小型化を図った.シミュレーション結果に従い,プロジェクタと凸レンズ,球面鏡を固定する架台を作成し,拡散投影装置を試作した.試作機は最大長50cm,重さ2.5Kgで,持ち運びに十分耐えうる大きさである. 凸面鏡で映像を拡散させると,焦点深度が大きくなる反面,投影映像にひずみが生じてしまう.このため,プロジェクタに入力する映像には,あらかじめ歪みを補償するような映像を用意することになる.歪みの形状については,シミュレーション結果に基づいて求めることができるが,光学系の試作精度の問題から実機を用いて歪み形状を導いた.現時点では,1.投影装置が固定された状態で,2.投影面の形状が既知であり,3.観察者の位置が固定された条件で,正常な見えの映像が呈示できることを確認した.今後は,投影状態をカメラで撮影することにより,これらの設置条件を減らすように工夫する予定である.
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