2003 Fiscal Year Annual Research Report
投資収益率に関するマルチファクターモデルにおける回帰係数行列の時刻依存性の研究
Project/Area Number |
15700236
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 剛 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (40267399)
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Keywords | 投資収益率 / マルチファクターモデル / 非定常時系列 |
Research Abstract |
回帰モデルによるデータ解析では,被説明変量の挙動をうまく説明する適切な説明変量の選択が欠かせない.そこで,平成15年度は,株式の投資収益率に関係すると思われる各種の金融指標データを収集し,それらの分布と時系列としての挙動を観察する作業を行った.具体的には,東証一部上場企業の日経平均株価,財務諸表に現れる総資産,売上高などを収集して行った.これにより,説明変量として適切と思われる変量をほぼ特定することができた. 本研究は,平成15年度から16年度にかけての計画にもとづいており,15年度は,16年度に結果をまとめるためのいわば予備調査期間である.しかし,平成15年度に各種の金融データ観察作業行った副産物として,企業の倒産確率をロジット回帰モデルで推定する問題について,学生との共同研究で一つの結果を得ることができた.この結果を平成15年12月に開かれた科研費シンポジウムで発表すると同時に,論文として現在投稿準備中である. また,本研究では,最終的に提示するマルチファクターモデルの確率的に変動する誤差項として,少なくとも定常な雑音,できるならば,非定常で長期記憶性をもったfractional Brownian motionを仮定することを目標としている.これに関連して,fractional Brownian motionを含むより広いクラスの長期記憶確率過程の挙動を決定するパラメータの簡単な推定方法についての論文を,海外の研究者との共同研究で執筆し,平成15年度中に発表した.
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Research Products
(1 results)