2003 Fiscal Year Annual Research Report
認知と運動を結ぶネットワークにおける解剖機能的領域間連関の研究
Project/Area Number |
15700257
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
花川 隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (30359830)
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Keywords | 磁気共鳴機能画像 / 脳領域間連関 / 運動制御 / 体性感覚知覚 / 運動野 / イメージ / 標準化 / 認知 |
Research Abstract |
平成15年度は、当施設に平成14年度末に導入された3Tesla磁気共鳴画像装置を中核とした実験施設の立ち上げ時期と重複したため、主に来年度の本格的実験のための基礎的検討を行った。具体的には各種感覚刺激、感覚刺激をトリガーとして行う運動想像課題及び単純運動、複雑運動を組み合わせた磁気共鳴機能画像実験を行った。ヒト運動野・体性感覚野マッピングのために、左右の正中神経及び脛骨神経の電気刺激に脳活動を検討した。まず、電気刺激によるエコープラナー像への干渉を減少させるためと感覚刺激とMRI撮像を同期させるための技術的検討を行った。技術を確立した後、実際に運動閾値での電気刺激による脳活動を計測したところ、一次・二次体性感覚野に加えて弱い補足運動野・運動前野の賦活が観測された。一次体性感覚野は明らかな体部位局在を示し、二次体性感覚野にもラフな体部位局在が存在する可能性が示された。感覚閾値での刺激ではこれらの活動はいずれも減少した。感覚閾値での刺激をトリガーとする手指の単純運動課題では一次運動野、補足運動野、運動前野の活動が加わり、さらに複雑運動課題では運動前野と補足運動野吻側の活動が増強した。これらの基本課題を組み合わせ、さらに洗練させることで一次運動感覚野、高次運動野を定義するための標準課題セットの作成が可能であると考えられた。さらに左右の手指を用いた視覚刺激による運動実行・想像課題を行い特に運動想像課題における運動実行器の左右の差が脳活動にいかに反映されるかを検討した。運動想像課題における運動器の左右差は運動前野と前部頭頂葉の一部に反映されるという予備的な結果を得た。現在これらの課題における領域間の機能連関を検討中であり、得られた脳領域に関する知識に基づいた仮説により、磁気刺激を用いて脳機能を修飾する具体的実験を計画中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Hanakawa T, Honda M, Okada T, Fukuyama H, Shibasaki H.: "Differential activity in the premotor cortex subdivisions in humans during mental calculation and verbal rehearsal tasks : a functional MRI study"Neuroscience Letters. 347(3). 199-201 (2003)
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[Publications] Hanakawa T, Honda M, Hallett M.: "Amodal imagery in rostral premotor areas(commentary)"Behavioral Brain Sciences. In press.
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[Publications] Fridman EA, Hanakawa T, Chung M, Hummel F, Leiguarda RC, Cohen LG.: "Reorganization of the human ipsilesional premotor cortex after stroke"Brain. Epub ahead of print. (2004)
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[Publications] Kansaku K, Hanakawa T, Wu T, Hallett M.: "A shared neural network for simple reaction time"Neuroimage. In press.
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[Publications] Sohn Y, Voller B, Dimyan MA, St Clair Gibson A, Hanakawa T, Leon-Sarmiento FE, Jung HY, Hallett M.: "Cortical control of voluntary blinking : A transcranial magnetic stimulation study"Clinical Neurophysiology. 115(2). 341-347 (2004)
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[Publications] Lerner A, Shill H, Hanakawa T, Bushara KO, Goldfine AM, Hallett M.: "Regional cerebral blood flow-correlates of the severity of writer's cramp symptoms"Neuroimage. 21(3). 904-913 (2004)
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[Publications] 花川隆, 福山秀直: "パーキンソン病の脳機能画像"アニュアルレビュー神経2004. 210-220 (2004)
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[Publications] 花川隆, 川崎敬一, 橋川一雄, 福山秀直: "パーキンソン病の機能画像診断"日本臨床. In press.