2004 Fiscal Year Annual Research Report
加齢による姿勢変化に対する運動療法の考案とその効果
Project/Area Number |
15700370
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 春彦 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30274062)
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Keywords | 高齢者 / 前屈姿勢 / 動的バランス / 筋力トレーニングマシン / リスク管理 / 腰痛 |
Research Abstract |
高齢者に見られる前屈姿勢が、骨関節機能やバランス能力とどう関係しているかを調べる一方、高齢者の筋力強化として使われているトレーニング機器運動時の腰椎リスクについて検討した。 前者は健常高齢者19名(平均年齢70.1±5.4歳)を被験者とした。姿勢の評価として、動作解析装置を用いた歩行分析により頚部および体幹の前傾角度を求めた。その上で骨関節機能(胸椎の後轡彎、関節可動域、背筋および腹筋筋力)と動的バランス(可動式床面上での重心移動距離)を計測し、姿勢と身体機能の関係を調べた。 後者は健常若年者5名(平均年齢23.2±2.2歳)を被験者とした。下肢伸展筋力強化トレーニング機器は、強化の対象とする筋が同じであるが、運動時に背もたれが倒れる機構があるものとないものの2種類を用いた。運動時の筋肉への負荷は筋電図にて計測し、腰椎への負荷は腰背部に取り付けた荷重センサーからの圧力を元にモデル計算を行い求めた。 高齢者を対象とした測定の結果、姿勢と有意な関係が見られたのは、動的バランス能力(前後最大重心移動幅:r=-0.594、p=0.007)と関節可動域(足関節背屈:r=-0.506、p=0.027)であった。バランスを鍛えるような運動や関節可動域運動(ストレッチなど)が姿勢の改善に有効かもしれないことが示唆された。 また、腰痛リスクの検討では、背もたれ回転機構つきが、ないものと比較し負荷が4分の1程度と小さかった(背もたれ回転機構つき:0.09±0.03Nm/kg、なし:0.43±0.24Nm/kg)。運動時の大腿四頭筋の筋活動量には差がなかった。このように強化する筋肉の対象が同じでも、運動機構の違いにより、腰痛リスクが異なることが明らかとなった。 以上の点を踏まえ、今後は高齢者が安全に行える姿勢改善のための運動プログラムを考案しその効果を検討していく。
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Research Products
(3 results)