2003 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザとの協働プロセス構築による福祉機器設計システムの開発
Project/Area Number |
15700379
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
塚田 敦史 東京電機大学, 理工学部, 助手 (70349801)
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Keywords | 福祉機器 / 設計方法論 / グループインタビュー / ユーザセンタードデザイン / ヒューマンインターフェース / 電動車いす |
Research Abstract |
本年度は、グループインタビュー法を用いた福祉機器設計システムを開発すべく、グループインタビュー法の遂行設定の具体的検討を中心に行った。福祉機器開発に携わっている者2名に調査を行い、この手法の具現化を検討した。その結果、システム構築に向けて、グループインタビュー毎のデータベース化が必要であること、また本研究のプロセスを実証するためには、当初計画していたシーズ情報としての高機能電動車いすを具現化するのではなく、既存の電動車いすとの比較検証が妥当であり必要ということがわかった。これよりプロセスの第一歩として、想定されるグループインタビューの時系列的なプロセスを構築し、1回目のグループインタビューを試行した。症例の異なる電動車いすユーザ8名、福祉機器開発者2名にご協力いただき、実施した。第1回目として行ったインタビューでは、開発者は関われるが、直接的に機器の提案を行うことはせず、ユーザからの情報に対する意見のみを発言できると条件づけた。これは、ニーズ中心の情報を抽出することを目的としたことによる。その結果、ユーザからは、率直な意見を言えるテーマ設定にすべき、発言が偏らない様な設定が必要、また開発者側からは、想像もつかない潜在的なニーズ情報が抽出された、など本手法に対する有効性と問題点が明らかになった。これらの結果を基に、次年度にてデータベースソフトを利用した本手法のシステムを構築して検証していく。 この他、グループインタビューを用いた本手法の特徴である、仮想現実上でのニーズ情報の実現とユーザとの協働作業のための第一歩として、計算機はワークステーションを用い、既存の電動車いすの3次元モデリングを行った。これは、平成16年度以降のグループインタビュー実施において、具現化した機器の提示を行い、本手法の検証に役立てる目的で行った。
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