2003 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母全遺伝子ライブラリーを用いた核―細胞質間輸送メカニズムの解明
Project/Area Number |
15710152
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
八代田 陽子 独立行政法人理化学研究所, 化学遺伝学研究室, 研究員 (60360658)
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Keywords | 分裂酵母 / 核-細胞質間輸送 |
Research Abstract |
分裂酵母の13個のインポーチンβスーパーファミリータンパク質のうち、Crm1により核外移行を受けるタンパク質の網羅的同定を行った。Crm1の阻害剤レプトマイシンシンBを用い、分裂酵母のYFP融合型遺伝子ライブラリー(約5,000個)を導入した野生型形質転換体を処理し、処理前後での各タンパク質の局在を比較した。このスクリーニングで差異が認められたタンパク質の中には、これまでにCrm1との関与が示されていないものが多く存在しており、それらについて現在詳細に解析を進めている。また、インポーチンβスーパーファミリータンパク質をコードする非必須遺伝子の破壊株のうち、生育が著しく阻害されていることにより取り扱いが困難な株を除く8株について、どの輸送因子がどのような環境ストレス応答に関与しているかを調べるため、それぞれの破壊株の様々な感受性について検討し表現型の同定を行った。いくつかの破壊株において、温度、熱ショック、イオン、紫外線照射、酸化剤などに対して強い感受性が認められたことから、それらの遺伝子が様々な環境ストレス応答経路に関わる因子の輸送担体であることが示唆された。まずそれらの遺伝子が定常状態でどのような因子の輸送に関与するかを同定するため、破壊株にYFP融合型遺伝子ライブラリーを導入した形質転換体を作製し、この破壊株における各タンパク質の局在と野生型株における局在とを比較した。今後、それらのタンパク質と各輸送因子との結合の有無を調べ、さらに各種ストレスを与えた場合の局在への影響を検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)