2003 Fiscal Year Annual Research Report
人工塩基対の利用を目指したDNAポリメラーゼ変異体の作成と評価
Project/Area Number |
15710164
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
池田 修司 鹿児島大学, 工学部, 助手 (80336320)
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Keywords | 温度感受性大腸菌 / polA12 / recA56 / recB23 / Thermus thermophilus / Thermus aquaticus / DNAポリメラーゼ / 非天然塩基 |
Research Abstract |
非天然塩基を含むデオキシヌクレオチドの伸長に適するDNAポリメラーゼ変異体作成を目指し研究を行っている。ランダム変異体ライブラリーよりDNAポリメラーゼ活性を保持した変異体を選択する系の確立をまず目指した。 温度感受性大腸菌MM385(polA12recA56)とMM387(polA12recB23)はThermus thermophilus DNAポリメラーゼの発現によりその温度感受性が正常に戻ることが研究代表者らの実験によりわかっている。従来MM385やMM387のような、のpolA変異をもつ大腸菌には発現ベクターとしてpSC101複製起点をもつプラスミドが使用されていた。今回ColE1タイプの変異したpMB1複製起点をもつpUC18を発現ベクターとしてThermus thermophilusのDNAポリメラーゼをMM385中で発現させたところその温度感受性が正常に戻った。37℃でコロニーを形成する大腸菌の割合はpSC101複製起点をもつプラスミドよりもpUC18を発現ベクターとして用いた場合の方が高かった。しかしMM385中では変異したDNAポリメラーゼIが原因でpUC18の複製は正常には行われておらずコピー数の低下とリラックス状態で主に存在するという現象が見られた。 好熱菌Thermus aquaticusのゲノムDNAよりDNAポリメラーゼβと相同性の高い遺伝子断片を増幅しpUC18へ導入した。遺伝子断片はpUC18のlacプロモーターから発現されない向きにしか連結されず、そのプラスミドも大腸菌中で有毒であることが明らかとなった。またアフリカ豚コレラウイルスの最小のDNAポリメラーゼと相同性のある部分のみを発現させるような遺伝子断片を作成しpUC18に導入したが、これもpUC18のlacプロモーターから発現されない向きにしか連結されなかった。
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