2003 Fiscal Year Annual Research Report
転換期における男性ホワイトカラーとジェンダーに関する実証的研究
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15710190
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金野 美奈子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (20346232)
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Keywords | ホワイトカラー / ジェンダー / 男性学 / ワーク-ライフ・バランス |
Research Abstract |
本研究は、急速に変容しつつあるといわれる男性ホワイトカラーの仕事世界を、そこでの家族の意味の変化を中心にとらえようとするものである。今年度は研究初年度として、二つの課題を設定した。第一は、本研究全体の前提として、日本において男性ホワイトカラーと家族とのかかわりがいかにして構築されてきたかという、歴史的流れを検討する作業、第二は、ワーク・ファミリー・バランスないしワーク・ライフ・バランスに関する内外の先行研究を踏まえ、理論的枠組みの整備および実証研究部分の設計の精緻化を行う作業である。 第一の課題については、職場世界のなかで職場成員としての男性と家族とのかかわりがどのように理解され、それがいかに変化してきたのかを、さまざまな歴史的資料に依拠しつつ明治期までさかのぼって検討した。それにより、職場世界が家族を扶養する男性像を前提として構築されたのはホワイトカラーの場合でも戦時期以降であることが示唆された。この知見は、ホワイトカラーの場合には戦前から性別役割分業規範が前提となり職場からの処遇の論理が構築されていたという、従来の見方を修正する必要性を示唆するものである。 第二の課題については、内外の先行研究のシステマティックなレビューにより、以下のことが改めて確認された。すなわち、ワーク・ライフ・バランスの諸研究のほとんどはワーク・ライフ・バランスという価値を前提にした立場から現状の問題点を探るというアプローチであり,ワーク・ライフ・バランス規範そのものが、変容する職場世界を生きる人々にとってどのように経験され、働くことの規範と衝突・矛盾ないし調和されているのかについての経験社会科学的探究という課題に照らしてみた場合、いまだ明らかにされるべき課題が多いことである。このような理解にもとづき、インタビュー調査の詳細検討を行った。
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