2004 Fiscal Year Annual Research Report
空範疇の言語理論における整合性および有用性の実証的研究
Project/Area Number |
15720116
|
Research Institution | Nagoya Sangyo University |
Principal Investigator |
中川 直志 名古屋産業大学, 環境情報ビジネス学部, 助教授 (70321015)
|
Keywords | PRO / 極小主義 / Aree / tough構文 / 主語コントロール / promise構文 / PIC |
Research Abstract |
本研究においては、空範疇の言語理論における整合性・有用性について、極小主義理論に基づく分析を行っている。本年度の研究成果は、名古屋大学英文学会第43回大会、日本英語学会第22回大会において口頭発表すると共に、次ページの通り、学術雑誌に掲載している。 PROの分布をAgreeに基づいて決定する方針については、従来PROの分布を規定してきた規則に比べてAgreeの方がより一般性の高い原理に基づいていることから、それを支持する分析が次々と提案されてきている。しかし、何を検索子とし、何を標的とするのかについては一致が見られない。本研究ではPROの分布に関する最も基本的な事実「PROは非定形節の主語位置に現れる」を再確認し、検索子を主節のC(主語コントロール)あるいはv(目的語コントロール)とし、標的をコントロール節のvとする分析を検証した。その結果、PROが目的語位置並びに定形節の主語位置に具現できない事実を導くことができた。また上記分析の過程で避けて通れない問題として、コントロール節のサイズ(CPかTPか)が問題となるが、これについても、検索子と標的の間にphaseが介在してはならないことから、TPであると結論付けた。更なる経験的論証が今後の課題となる。 PROの分布をAgreeに還元しようとする分析がある一方で、従来空演算子の痕跡位置と考えられてきた、tough構文の不定詞節における目的語位置の空所を、先行詞(主節主語)とのAgreeによって認可しようとする分析も存在する。しかし、主語位置と目的語位置の間にはvP phaseが介在するため、目的語位置の認可と主語位置の認可をAgreeによって一元的に取り扱うことには困難が付きまとう。これについて本研究では、目的語位置がAgreeによって認可可能となる統語上の条件について分析した。
|
Research Products
(2 results)