2003 Fiscal Year Annual Research Report
英連邦3カ国(イギリス・カナダ・オーストラリア)の権利救済法制の比較研究
Project/Area Number |
15730014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 樹也 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 助教授 (20273344)
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Keywords | イギリス法 / カナダ法 / オーストラリア法 / 権利救済法 / 人種差別 / 憲法 |
Research Abstract |
本研究は、英連邦3カ国(イギリス・カナダ・オーストラリア)の権利救済法制の比較研究をつうじて、わが国における権利救済制度の設計に関する立法政策への手がかりを得ることを目的とする。申請者は従来、アメリカの連邦Civil Rights Actsの研究をもとに、日米比較の観点から考察をおこなってきたが、アメリカ法の淵源であるイギリス法、および、イギリス法がアメリカとは異なる方法で継承・発展されているオーストラリア法・カナダ法の研究が必須である。そこで、本研究の研究対象を(1)人種差別(2)性差別(3)高齢者・障害者差別(4)プライバシー侵害にしぼり、今年度は、主としてイギリス法およびオーストラリア法の研究をおこなうとともに、人種差別の救済法制に関してはカナダ法を含めた3カ国すべての比較研究をおこなった。 本研究を遂行するため、日本国内で入手可能な各種資料の収集・分析をおこなうとともに、イギリスおよびオーストラリアに調査・資料収集を目的とする海外出張をおこなった。イギリスではオックスフォード大学法学部ポール・クレイグ教授の、オーストラリアではシドニー大学法学部ジョージ・ウィンタートン教授の援助をうけ、両国の権利救済法制に関する情報を収集するとともに、貴重な資料を得ることができた。 これらの資料をもとに、中間報告書「英連邦3カ国における人種差別禁止立法の現状と課題」を作成・公表する準備作業をすすめており、2004年3月中に完了する予定である。
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