2004 Fiscal Year Annual Research Report
技術覇権競争の多様化と競争優位の確立に関する実証研究
Project/Area Number |
15730181
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
内田 康郎 富山大学, 経済学部, 助教授 (90303205)
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Keywords | 競争戦略 / 国際標準 / デファクト・スタンダード / 競争優位の源泉 |
Research Abstract |
本研究は、デファクト・スタンダード(事実上の業界標準、以下デファクト標準)の形成に対する各企業の思惑について調査・分析することによって、競争優位の源泉が質的にどのように変化してきているか、そのメカニズムを明らかにすることに主眼がおかれている。 この目的に向け、2年目となる今年度はデファクト標準の動向調査をメインに活動を続けてきたが、その結果、デファクト標準を巡る形成過程が多様化してきていることが本研究においても確認でき、さらにその中でもフォーラムと呼ばれる民間企業の標準化組織によって構築される「フォーラム標準」に次のような特徴があることが分かった。 第一に、デファクト標準そのものの形成目的が従来のタイプと異なること。第二に、フォーラム標準の形成には基本的に市場競争が前提となっていること。そして第三に、標準化を目指すフォーラムのメンバーにとっては、標準化された仕様や技術そのものでの利権獲得を目指すよりも、標準形成後の市場開発に事業機会が見出されていることの3点である。 これらの特徴からは、企業間競争の枠組みの変化を感じ取ることができるが、その背景として業際化の進展が挙げられることになる。 そこで、研究最終年度となる今年度は、この業際化と企業間競争の関係について深く調査することが求められるのと同時に研究全体を精緻化していくことになる。
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Research Products
(1 results)