2003 Fiscal Year Annual Research Report
人生の危機を乗り越える「心理学的強さ」についての研究
Project/Area Number |
15730291
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
天貝 由美子 千葉大学, 教育学部, 助教授 (00314443)
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Keywords | 心理学的強さ / 危機 |
Research Abstract |
前年度より行っている「心理学的強さ」の概念についての自由記述式アンケートの結果の分類を完了した(その一部について学会発表を行う予定である;平成16年度日本心理学会)。得られた知見として、心理学的強さは、"楽観主義""現実からの一時避難(現実から距離を置く)""自分への信頼""未来への視点""考え方の広がり""他者からのサポート""忍耐力""自己成長志向""処世術の習得""時間の経過""自己理解"等の要素から、説明できると考えられた点などがあげられる。 上の結果をもとに、「心理学的強さ」を測定する尺度を作成し、その信頼性と妥当性を検討するため、再度調査を行った。また、どのような人生の危機に、「心理学的強さ」の中のどの部分が有効に働くのかも、あわせて検討しており、これらについては現在、分析と考察を進めている(その一部について学会発表を行う予定である;平成16年度日本教育心理学会)。 また、スイス、チューリッヒ大学において、「心理学的強さ」について、特に中・高校生の発達の観点から、専門家との意見交換を行った。また、同大学で開発され実践されている、個人の内的成長力を引き出す心理援助プログラムについて、説明を受け、簡易版の体験を行った。ここから得られた知見について(心理学的強さを育むためのプログラムの有効性と課題等)、執筆を始めたところである(平成16年度千葉大学教育学部研究紀要に投稿予定である)。
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