2004 Fiscal Year Annual Research Report
特異点のある退化放物型方程式の境界値問題および薄い領域での問題
Project/Area Number |
15740080
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 元彦 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (30254139)
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Keywords | 粘性解 / 退化放物型方程式 / 境界値問題 / 弱比較原理 |
Research Abstract |
今年度も、前年に引き続いて解がショックをおこす問題の2階の方程式に対する新たな粘性解の比較原理について考察した。1階の方程式においては、新たな粘性解は粘性消滅法による解に一致することはすでに示されており、これらの結果は2階の方程式においても期待されることである。その点を考慮し方程式にどのような適切な仮定を置くべきかについて考察を行った。我々の導いた適切な仮定のもと解の弱比較原理を証明した。1階の方程式の場合の証明法をそのまま2階の方程式に適用すると方程式の凸化に伴い考える定義域が異なってしまい2階の項を評価できないという問題があった。そこで我々は証明の核になる補題をより一般化することを試みた。我々の得た一般化された補題を用いて2階の項を評価できるようになり、解の比較原理の証明に成功した。現在、比較原理において方程式に課した仮定のもとで、粘性消滅法による解は、2階の方程式の新たな粘性解に一致することに関する証明はほとんど完成しており、最終の確認作業を行っている。また、解が一意性を得られるための条件について考察も行った。特殊な初期条件下で、いくつかのタイプの2階の方程式に対しては、解の一意性が得られることを確認した。来年度は一意性に関しての結果をさらに一般化したいと考えている。2004年の9月にイタリアのコルトーナの国際研究集会で今年度得られた2階の方程式の解にショックのおきる場合の弱比較原理についての成果を発表した。
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Research Products
(1 results)