2003 Fiscal Year Annual Research Report
太陽ニュートリノ検出器開発のためのニュートリノ反応断面積の測定
Project/Area Number |
15740136
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川畑 貴裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80359645)
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Keywords | 太陽ニュートリノ問題 / ニュートリノ振動 / 重陽子非弾性散乱 / Ml励起 |
Research Abstract |
本研究では^<11>Bの太陽ニュートリノ検出物質としての重要性に鑑み、超前方角度における重陽子非弾性散乱の手法を用いて^<11>Bの核構造の研究を行い、ニュートリノと^<11>Bの反応断面積を高精度で決定することを目的としている。低エネルギーの太陽ニュートリノによって引き起こされる反応の断面積を決定するは、運動量移行の小さな領域での励起強度を測定する必要がある。 本年度は大阪大学核物理研究センターのリングサイクロトロンにおいて加速された200MeV偏極重陽子ビームを用いて、^<11>B,^<12>Cを標的とした非弾性散乱実験を実施し、運動量移行の小さな超前方角度における高精度の実験データを得ることに成功した。実験にあたっては、一般に測定の難しい超前方角度における測定のためにビームストッパー等を製作した。また、取得した大量のデータを効率的に解析するために,大容量テープ記憶装置の導入や解析ソフトウェアの開発も併せて行った。 取得したデータについては、内外の研究者と密接に情報を交換しつつ、順調に解析を進めている。平成15年9月にはロシア合同原子核研究所を訪問し、ロシアの理論グループ、および、同様の研究を進めているオランダKVIグループを交えて研究検討を行ったほか、平成16年3月には米国より無芯殻模型の権威であるNavratil博士を招聘し、核構造計算の観点から議論を行った。
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