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2003 Fiscal Year Annual Research Report

ルテニウム錯体を反応場とするニトリルとケトンの新規反応に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15750056
Research InstitutionSophia University

Principal Investigator

橋本 剛  上智大学, 理工学部, 助手 (20333049)

Keywordsルテニウム錯体 / 有機ニトリル / 電気化学 / アセチルアセトン
Research Abstract

1.β-イミノケトンのキャラクタリゼーション
アセトニトリル配位ルテニウム錯体[Ru^<II>(acac)_2(CH_3CN)_2]を、ケトン溶媒中空気下室温付近で長時間反応させることにより、ニトリルとケトンが反応して炭素-炭素結合を生じ、βジケトンの酸素原子の1つがNH基に置き換わった形の新規β-イミノケトンが配位した錯体を得ることができた。単結晶X線構造解析の結果、この錯体はβ-ジケトナト錯体に比べ、OがNHに置き換わった以外はほぼ同じ構造であることがわかった。プロトンNMR測定では錯体は常磁性を示し、中心金属はIII価であることがわかった。電気化学的測定においては、NH基の電子供与性の増大による中心金属上の電子密度の上昇により、酸化および還元電位はともに負電位方向にシフトした。またβ-位の置換基効果はβ-ジケトナト錯体と全く同様であった。このことは、新規にできたβ-イミノケトン環はβ-ジケトンと等電子構造であることを意味する。
2.β-イミノケトン類を生成する反応機構の解明
上記の反応は有機ニトリルとケトンの種類をそれぞれ変えても同様に反応が進行して対応するβ-イミノケトン環を生成し、この反応は一般性があることがわかった。反応は、配位状態にある有機ニトリルの三重結合炭素とケトンのα位炭素との間に新規炭素-炭素結合が生成することから生じる。また、β-イミノケトン錯体は中心がIII価であるにも関わらず、有機ニトリル錯体は中心金属がIII価のものからは反応せず、II価のものからしか反応が進行しないことがわかった。このことは、ケトンからのプロトン解離と中心金属の酸化とが協奏的に進む、大変興味深い反応であることを意味するが、その詳細な機構は検討中である。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Takeshi HASHIMOTO: "Reaction of Aceton on Coordinated Nitrile in β-Diketonato Ruthenium Complex, [Ru(acac)_2(CH_3CN)_2 with the Formation of β-Ketiminate"Chemistry Letters. 32. 874 (2003)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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